内容説明
国交のない日本と台湾とのあいだを一人の広報官が駆けめぐったそのスリリングな活躍から見えるのは「時代」だけじゃない…華語圏のベストセラー『宮前町九十番地』の日本語版。
目次
第1章 宮前町九十番地から
第2章 少年の日々とアジアと
第3章 広報官となって
第4章 日本でメディアと相渉る
第5章 ニューヨーク。そして
第6章 台日の架け橋を
資料編
著者等紹介
張超英[チョウチョウエイ]
1933年2月、東京生まれ。台北・宮前町九十番地にあった家で育つ。香港の高校を経て明治大学政経学部卒業。台湾の行政院新聞局(政府広報局)に勤め、ニューヨークおよび日本に駐在して、広報官として活躍。1990年代には、民主化された台湾を日本に知らせることに努めた。引退後の2007年3月逝去
陳柔縉[チンジュウシン]
台湾・雲林県生まれ。台湾大学法学部卒業(’86)。台湾の日刊紙「聯合報」の政治記者、週刊誌「新新聞」の記者を経てフリーランスとなり、現在、コラムニストとして活躍する
坂井臣之助[サカイシンノスケ]
1941年生まれ。共同通信香港特派員、編集委員兼論説委員を経て、現在、東海大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙虫
2
日本統治時代の台湾の裕福な家庭に生まれ(出生地は東京)、終戦時は台湾の日本人学校、それから香港で教育を受け、東京の大学を卒業、アメリカで台湾の新聞処(駐在広報官)の仕事を始める。ダニエル・チャン似の彼の語りを綴った自伝。彼の人生がまんま台湾という国の戦後に通じる。単に官僚としての仕事だけでなく、ネゴシエーターとして台湾という国の民主化を支え、国自体を世界へと売り出していく。国連脱退、バブル期の日本、米中関係改善期のアメリカ、歴史に太字で記される出来事の裏で人知れずこんな非凡な人達が活躍しているのですね。2016/03/05
-
- 和書
- 地震 中公文庫