出版社内容情報
――あっし長谷川玄太は、魚屋です。魚河岸では「イダテンのゲンさん」で通っておりやす。
というゲンさんが語る魚介のウンチク話。古今東西、そして最新の話題を盛り込んだ、楽しい語りです。加えて、豊富でわかりやすい図版で示す、見分け方、さばき方や下ごしらえ、それに基本レシピ……。魚介をめぐるあれこれが、コンパクトにまとまって、魚と肴通になる1冊です。
海や川の幸をもっと深く味わいたい方、ひと味ちがうと言わせたい方におススメ。また「男の料理のお供」や「主婦の知恵ぶくろ」としても――。
4●まえがき
6●アサリ
*アサリのもみ洗い 6
7●アジ
*アジのさばき方 8
10●アナゴ
*あなごの腹開き 10
13●アユ
*天然のアユ/養殖のアユ 13
14●アワビ
*アワビの下ごしらえ
16●イカ
*イカをイカにさばくか 17
*ゲソの下ごしらえはこうだ! 18
*イカの胴はこうさばく!
*コウイカのさばき方はこうでえ!
21●イワシ
*イワシの手開き 22
24●ウナギ
*ウナギの背開き 25
*ウナギの串打ち 26
28●ウニ
*ウニとウニに近いもの
30●エビ
*イセエビの身のはがし方 32
*殻つきイセエビの下ごしらえ 33
*クルマエビの下ごしらえ 34
36●カキ
*カキ殻の開け方と身の洗い方 37
*カキの裏ワザ 39
40●カジキ
*カジキの部位 41
42●カツオ
*カツオのさばき方 42
*カツオの串打ちとタタキ 44
45●カニ
*ゆでたケガニのさばき方 47
*ゆでたタラバガニの食べ方、さばき方 48
49●キンメダイ
*キンメダイの煮付け 49
50●コハダ
*コハダの仕込み 50
51●サケ
*シンの酢漬け(マリネ)
80●ハマグリ
*ハマグリの下ごしらえ 81
*焼きハマグリの下ごしらえ 82
83●ヒラメほか
*ヒラメの七枚おろし 84
*縁側のおろし方 85
86●ブリ
*ブリ大根 87
90●ホタテ
*ホタテの解剖図
93●マグロ
*マグロの部位・断面図 96
*マグロ冊の解凍方法
100●マナガツオ
*マナガツオの幽庵焼き
101●ムツ
*ムツ
●付録
102●その一 包丁カタログ
104●その二 魚介の旬
106●その三 水産物の表示の見方
108●その四 魚卵
●コラム
27◎築地はサカナ屋さんの戦場でえ!
38◎Rのつかない月
92◎ホタテの部位 ほか
99◎活魚市場の隆盛
●マンガ・エビ太郎 9、35、71、81、89、103
110●あとがき
本文(抜粋)
●イカ
日本人はあきれたイカ食い
よくいわれることだが、イカってえのは日本でいちばん食べられている水産物に数えられる。
世界全体で捕れるイカの年間漁獲量は約120~140万トン。そのうち日本で消費される量が80万トンときてやがるから、なんとも日本人ってえのは、あきれたイカ食いってことだね。
何、オレはそんなにイカを食べてない?
いやいや、お客さん。アンタが大好きなビールを飲むときのスルメはイカだろう。イカは刺身とかで食べるより加工品が多いんだよ。
イカとは長いおつきあい
一部の欧米人にはタコと同様、イカを好まない国民もいるが、海洋民族である日本人とイカの付き合いは長い。
『延喜式』という平安初期に編纂された儀式や作法を記した書物にも、出雲や丹波、若狭の国が、中央にイカを献上したという記録があるし、また伊勢神宮の神饌、つまりお供えとして用いられたという。
伊勢神宮の神饌ってのは、原則的に生ものか干物というのが原則だが、イカとエビだけは火にかけるそうなんだ。
それもワタとゲソはきれいに取る。皮をきれいに剥いてから蒸したものを和紙にくるんで神様にお出しするといおり、イカやタコの場合、頭足類といって足があるほうが頭部になる。カオやアタマに見える部分は実際には胴体で、サバけばわかるけど、このなかに内臓が入ってるわけだね。
この頭足類の仲間で、足が10本あるものを総称して「イカ」と呼ぶわけだ。
余談になるが、イカの足が下足と呼ばれる語源は、劇場や銭湯などの下足番が、イカの足の数と同じ10足単位でまとめたからだって説がある。
今でも、引き出物の熨斗なんかにゃ、「お銭」にかけて、スルメを縁起物としてあつかうだろ。ゲソもバカにはできねえんだよ! むしろゲソにこそイカのホントの味わいがあるかもしれねえな。(後略)
◎ここがポイント
・魚屋ゲンさんの切れのいい語り口を生かした本文で、魚介に関するさまざまなウンチクが自然に頭に入ってきます。
・魚介類の種類やさばき方、そして基本レシピなどが楽しくて豊富なイラストとわかりやすい写真で示され、魚介についての興味や見る目が高まっていきます。
◎こんな人にお薦め
・個人経営の居酒屋、ペンションなどで、自ら魚料理を出すオーナーさん。
・海や川の幸が好きで、みずから魚をさばいたり、知識も含めてもっと深く味わったりしたい方。
・ひと味ちがう家庭料理を出したいと願う主婦の方。
・酒の席などで、肴をもっとおいしく味わうため、座を盛り上げるため、魚介の基礎知識を得たい方。
内容説明
サカナのウンチクから医食同源としての魅力まで図解入りで紹介。
目次
アサリ
アジ
アナゴ
アユ
アワビ
イカ
イワシ
ウナギ
ウニ
エビ〔ほか〕
著者等紹介
長谷川玄太[ハセガワゲンタ]
東京深川生まれ。幼少時に築地に移り住んで育ち、若くして築地中央卸売市場で働きはじめ、以後40年近くにわたって水産業に携わっているという。また日本最大級の食品サイト「スイサンドンヤ・ドットコム」の商品選定顧問であり、同サイトで「医食同源」を好評連載中
小暮満寿雄[コグレマスオ]
作家、画家。東京生まれ。年に1回ほど個展を開くとともに、著作やルポルタージュを中心に活躍している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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