内容説明
禁忌の話題にふれる問題作。古今東西の「人肉鬼」「人喰い事件」の背景を読み解き、現代に潜む問題に迫る。
目次
1 北朝鮮―人肉が流通するという国
2 アメリカ―ハンバーガーの国?
3 日本―え、まさか日本でも?
4 中国・台湾―美味探求の本場
5 ヨーロッパ―歴史ある国
6 分類不能な人喰い
著者等紹介
池田智子[イケダトモコ]
東海大学工学部応用物理学科卒業
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感想・レビュー
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みや
36
古今東西の人喰い事件・風習の背景を読み解くエッセイ。前書きで他の人の論文を「調査内容が稚拙」と言っているが、この本も負けず劣らず他の本から寄せ集めた情報ばかり。様々なエピソードが収録されているものの、知っている内容が多かった。それでもやはりカニバリズムは至高の行為。この空気感に浸るのは楽しい。空腹や美容健康より「一体化したい」「ずっと側に置いておきたい」という愛情故の食人が昔から大好き。拷問のバリエーションも様々あって面白かった。中国のネタの豊富さには目を瞠る。アンゴラ帝国のジンガ女王が特に興味深い。2019/08/18
aki
6
学校図書館の「文化」のところから借りた本。犯罪に当たる食人から、民族文化の中で行われている食人、飢えからくる食人など、さまざまなタイプの記述があった。現代社会においては、人を食べるという行為は禁忌にあたり、忌み嫌われる行為であるが、古い時代の中国では「子が親に食われる」という行為は親孝行であると捉えられていたり、聖書にも食人に関する記述があったりと、時代によって倫理観や命の考え方などが大きく変わる、その根底には宗教が強く影響しているんだなあと思った。2014/10/14
ank
2
そりゃ食ってるよね!食ってたでしょ。 これが素直な感想。どう料理していたか、美味しい食べ方も気になるところ。2020/11/17
nobara
1
近代以前の欧米の話は、著者の参考文献に上げてる本等を読んでたし、私の専門が一応日本史なので日本の話も知ってた。 ただ、飛行機事故の奇跡の生き残りの話は、そういうことだったのか。 残りはほぼ共産圏での話なような。 中国に関しては三国志、西遊記、封神演義といった書物に史実、創作の違いはあるけど記されてる内容から伺い知れる思想からは、過去には事実として存在したのだろう。 他のは、実際どうなのか調べる術もないので、なんとも…。 著者は共産圏が嫌いなのかな?が全体の感想。 2024/03/27
コウみん
1
なぜ、人間を食うのは何故なのか。カニバリズムの正論を歴史的に説明した内容。 少し怖かったのもあったが、文化人類学的に面白い。2023/07/12