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本好きkotaの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
波多野七月
7
黒い、雨が降りつづくような。やまない雨の世界に立ち尽くしているような、深く昏い絶望を感じた。この気持ちをただ一言で表すなら、「吐き気がする」が一番近い。書店を舞台にしたミステリのはずが、やがて思いもがけない不穏なそれへと変わっていく。間違っても誰かには勧めないし、二度と読み返す事もない。ただ、尋ねたい。「あなたは、この小説を読んで何を感じましたか?」と。不穏な空気、歪んだ悪意。底の見えないよどんだ沼に、足を取られてしまったような。圧倒的な、やりきれなさだけがただ残る。2014/10/02
黒うさぎ
6
皆川博子、激賞!や装丁や帯のシンプルさに不穏なものを感じつつ、本屋さんの「日常の謎」かなと軽い気持ちで読み始めてしまった。ああなんと!世界も時間も、謎も事件も「よしえさんの旦那さん」によって紐解かれ穏やかに流れるように過ぎていく。それが、それなのにどうしてこんなにも残酷なの。ただ書店がそこにあるだけなのに。胸がえぐられる本を読んでしまった。でも小太郎が好き。2014/10/01
ふじさん
3
「フリースタイル」初出。主に書評家や編集者として活動する著者、初の連作ミステリ短篇集。読み巧者らしく、収録作は何れも一筋縄で行かない物ばかり。悲痛な真相やリドルストーリーめいた結末を配置した物語は、日常の背面で常に非日常的な悲劇が蠢いているのだと切実に訴え掛けてくるようだった。自らの個性や人格を余り表に出さず、ただ時の流れに任せて淡々と日々を送るような視点人物の語り口も、そういった印象に拍車を掛けていたように。純粋な好みなら「ぬけられ小路の殺人」が白眉。傘に纏わる論理を扱った作品には秀作が多いという持論。2015/03/09
ふみえ
3
読みやすいのでサラッといけますが、巻き起こる事件の数々は結構重い。軽い日常ミステリーかと思いきや違いました。含みがあるというか、察してくれというか、どのストーリーも”何となく、そ-なのかな?“的で面白い。最後の外国語の意味が分からない。2014/08/09
のりすけ
2
「万引きよりも重い罪」あの後一体どうなってしまうのか…。事件の謎が解けてハイ終了、じゃない、これからが本当に大変なのな…と気持ちが凹みそうになっちゃった。2015/04/16
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