能の友シリーズ
隅田川(角田川)

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  • サイズ 46判/ページ数 47p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784939134111
  • NDC分類 773
  • Cコード C3074

内容説明

春の隅田川を舞台に、子を思う母の狂おしいほどの愛情が描かれたお能です。この曲は四番目物に属しますが、その中でも物狂をシテとした狂女物の代表的傑作とされています。四番目物は「雑の能」とも呼ばれ、狂女物や現在物など、様々な曲趣の作品が混在しているのが特徴です。隅田川の渡し守(ワキ)が客を待っていると、都から下ってきた物狂いの女(シテ)が現れ、乗船を乞います。この女と渡し守との問答は『伊勢物語』第九段を背景としており、在原業平の東下りと同じく、都から東国へ下る女物狂いのイメージが重ねられているのです。渡し守との遣り取りや都鳥の情景、妻を思う業平と我が子を恋う女の心情の巧みな二重写しが、物語に豊かな情趣と哀傷を加えています。ようやく乗船を許された女は、渡し守から思いがけず我が子の哀れな末路を聞かされます。そのうえ今日がちょうど一周忌に当たるという運命の皮肉。絶望しながらも命日の大念仏に加わった女は、幻に見えた我が子(子方)と手に手を取り交わそうとしますが、やがて夜が明け、その姿は儚く消え失せてしまうのでした。

目次

能のみどころ
物語・隅田川
「隅田川」マップ
狂い笹
隅田川・原文

著者等紹介

川西十人[カワニシトオジン]
東京生まれ。俳人。早稲田大学卒業。能楽全般にわたり、きわめて造詣が深い。能と俳句、能と映画を結びつけた評論に、独自の世界を拓いている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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