内容説明
日本には全く異なる二つの設計があった。古事記は「場所」の論理を残滓されている、それは日本書紀の画一空間の設計論理とはまったく異なる。だが、両者は「国津神」を無視しえず、その力の存在を表象的に記録した。吉本共同幻想論をさらに深化させ、「場所共同幻想」の可能条件を折口信夫・坪井洋文らをふまえて開示する、古事記の徹底した逆立的解読による思想的転移の書。
目次
0 原論篇―古事記解読の本質視座(“共同幻想”論―吉本隆明の視座から;“タマ”論―折口学の「クニブリ」へ ほか)
1 “国津神”の場所―神話に潜む存在表象(“大国主”論;“ニニギ”論―天孫降臨神話 ほか)
2 “まつりごと”論―ヒメ・ヒコ制の転化形態(“スサノヲ”論;“天照”論 ほか)
3 “初発”論―神と国の生成幻想構造(“イザナキ/イザナミ”論;“ムスヒ神”論―始まりの独神 ほか)
4 変容篇―“国津神”の原形と変容(“サルタヒコ”論;土蜘蛛と鬼)
結語 場所の“クニブリ”論―“場所魂”へ
著者等紹介
山本哲士[ヤマモトテツジ]
1948年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科、博士課程修了。教育学博士。政治社会学、ホスピタリティ環境設計学。信州大学教授、東京芸術大学客員教授をへて、現在にいたる。文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクター。企業環境、ファッション環境、ツーリズム環境、環境倫理・環境哲学など、社会環境、文化環境から“場所‐地球”の経済/政治を近代学問体系を超えて総合的に設計・構築する超領域的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
-
- 和書
- 心がやわらぐ会話の作法