内容説明
エトロフから西表島まで、地形図の中に夢を探す。「残された時間は少ないが、なにも今日中に帰ることもあるまい。」―空論でない西丸式裏道の山旅２０コース、日本はこんなに広かったんだ！縦横無尽の遊山術。
目次
択捉島―火山と湖と温泉と
知床岳―北方湿原と草に覆われたカール
羅臼湖―人跡末踏の池めぐり
大雪山―遭難者の跡を追ってＳＯＳ原へ
トムラウシ山―原始温泉探訪
幌尻岳―氷河の贈り物
大深岳西山腹―大深沢湿原の夜
焼石岳―みちのくの“大興安嶺”
虎毛山・沼沢沼―森の沼沢をたずねて
黒谷川源流、丸山岳―昔の上高地はかくや、別天地的秘境〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ターさん
1
西丸氏は「湿原狂」である。学生時代から山仲間達は、中公文庫の著作を読んでいた。湿原に対する情熱は、当然のように私達にも影響を与えた。尾瀬ケ原の北側に岩塔盆地という場所がある。クマの領域で人はいない。しかも「異次元との接点」触発されてそこに行きたくなった。地図を広げ計画を練った。しかし、それは計画だけで終わり幻になってしまった。久し振りの著作を読み、私の山登りの師匠は西丸氏だったと悟った。四畳半の下宿で、酒を呑みながら幻の山行を語った友達---。鬼籍に入った友、山を捨てた友、あのころの山友に幸あらんことを。2020/05/28
