出版社内容情報
第一次世界大戦終戦翌年の大正8年(1919年)。高校を卒業したばかりの力武ユリと惺(さとる)は、富豪の家へ嫁いだ叔母を頼りに、故郷の佐賀から上京した。ふたりは、男女にしては珍しく容姿までそっくりの双子。図案が好きなユリとファッションに興味津々の惺だったが、その時代、図案科のある美術学校は男子、裁縫学校は女子のみにしか、門戸は開かれていなかった。ユリが冗談で言った「入れ替われたらいいのにな」という言葉に本気で乗り気になった惺が策を立て、結果、ユリは惺の名で川本画学校に、惺はユリの名で松田裁縫学校に願書を出し、入学することに……!
入れ替わった双子がそれぞれ目のあたりにする大正時代の男性/女性の立場や地位の違い。フレッシュな視点でその矛盾を捉え、自らの力で新しい時代を切り拓いていこうとした若者たちの、胸を打つ感動の青春群像時代劇。
【目次】



