内容説明
奥行きと立体感、デッサン力が絵画の基礎だと考えられている。はたしてそれは正しいのだろうか。もっと大切なことを見落としていないだろうか。本書は、西洋絵画を規範とする美術教育がすくい取れなかった表現の試みを、高校の美術を通して探った集大成である。授業を受けた生徒作品とともにまとめた。
目次
石膏デッサンの時代
「見ること」の不思議
「陰影法」のなぞ
「遠近法」の光と陰
授業のフィールドワーク
素描と石膏デッサン
遠近法とセザンヌ
現代の絵画とそのルーツ
現代の美術とデュシャン
アートと美術教育
基礎としての鑑賞
表現の基礎
色彩と形からの発想
自分で判断できる力=美術部
著者等紹介
山廣茂夫[ヤマヒロシゲオ]
1972年、広島県立呉三津田高校卒業。2年からは美術部に入り、石膏デッサンを始める。卒業後上京し、大手美術予備校で本格的に実技に取り組む。ながく浪人を重ねたが、この間の経験が、後に美術教員としての指導の基礎となった。1977年、東京造形大学造形学部絵画科に入学。成田克彦らに学ぶ。1981年、大学卒業後、神奈川県立高等学校の教諭として採用される。綾瀬高校、野庭高校を経て、美術専門コースのある上矢部高校に勤務。ここの美術部からは、アーティストや美術教員、デザイナー、陶芸家等が多く育った。授業用資料『見る事と絵画表現の歴史』が提出論文として認められ、「美術史学会」の会員となる。2003年、美術専門コースのある白山高校の教頭として転出。以後は、専門コース・専門学科の設置校の管理職として勤務する傍ら、「全国高等学校美術、工芸研究会」副会長として、研究会の運営に携わり、2014年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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amanatsu