内容説明
私たちの目の前に人類が脈々と築いてきた「ことば」の大地がある。それは私たちの地球をあたたかくつつむ豊饒(ほうじょう)の世界。本書は、語り手たちの会の連続セミナーから生まれたもの。今、なぜ語りなのか。文化としての魅力ある語りの世界を探る。
目次
第1章 楽しく広がる語りの世界
第2章 語りの始まりと広がり
第3章 なぜ語るのか
第4章 語りは心の交流
第5章 語りの第一歩
第6章 語り口の研究
第7章 語りを演出する
第8章 やってくる語り手たちへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐藤一臣
12
語りをしたくなって読んでみた。理論編なので技術的なことは詳細に記述されていなかったが、勉強になった。特に語りをする理由について、2つの視点に感銘を受けた。一つは、自分自身の成長の為に語ること。何をどう語るかは、自身の棚卸しが必要で、自らが何を求めているかを深く見つめていくことになる。もう一つは、速くて正確なことを優先させる効率中心主義の世の中で、忘れ去られている深く心に染みる自分や他者との関係を築く心安らかで豊かな空間を提供することができる。私たちは、幸せの一部分だけに囚われていることに気づくのだろう。2020/01/31