内容説明
夢幻と現実の混頓に立ち現われ、人に憑き人を喰らい世界を破滅させる数々の幻獣。恐怖と怪奇ファンに贈る傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
25
94年(平成6年)の税抜1456円の単行本初版。内外の幻獣鉄板作品9編を収録で、単行本では今更感が強い。初読みの人なら文庫サイズで充分だし…単行本を出せば図書館なども含めて一定の需要はあるのだろうね。ホジスンの巻頭作は63年東宝の「マタンゴ」の原作(アイデアのみ)。「マタンゴ」は無人島のキノコの名前。エーベルスの「蜘蛛」は、同じ貸し部屋で連続して首を括った3人の男の謎を追う青年。自分も貸し部屋に泊まり込むが…窓の向かいの部屋の美女に気もそぞろ。ネタは良いのだけど何だかなぁ。蜂巣氏の解説は良い。★★★★☆☆2022/03/07
酔花
4
収録作9篇中6篇は既読でした。アンソロジーで既読率が高いのは損しているという見方もできますが、ジャンル読者であることの自負と奇妙な喜びが出てくるので嫌いじゃないです。未読の中で印象に残ったのはエーヴェルス「蜘蛛」です。自殺者が続出するホテルの一室へ、謎を解明しようと試みる若き男が泊り込む。珍しくこの手のものにしては刑事が協力的なところが笑えます。通りを挟んだ向かいの建物の窓に映るは若き乙女という時点で、読者的には早く逃げろという心情ですね。タイトルの意味が明らかになるとともに、訪れる結末にはぞっとします。2016/07/08
wm_09
0
大体既読の作品だったのがつらいな……。しかし、「闇の海の声」「くだんのはは」あたりは何度読んでも面白いし、「しでむしの唄」「繭」は内容を忘れかけていたので案外丁度良かったかも。(清)2010/01/07
三柴ゆよし
0
古本屋でなんとなく目にとまったので購入。「蜘蛛」が読めたのはよかった。2008/09/12