内容説明
本書は、昭和14年、緑山岳会が創立してからの50年の間に、著者の心に残る想い出を集めたものです。
目次
寺田甲子男君の人間像
登山用語解説
中島喜代志と土合山ノ家
ヤミ屋一代
山登りは道楽
戦前、戦中の山登りと食糧事情
山岳サルベージ繁盛記
岳連と岳連屋、谷川岳遭難防止条例
そそっかしい都議選挙違反
谷川岳身分証明書偽造事件の真相
昭和30年~40年代の分裂、繁殖
初登争いの時代とRCCII
私の事故と緑の遭難
懺悔岩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
3
単行本で読了。戦前からから戦後にかけて谷川岳のルート開拓にかけた著者の本。著者は東京緑山岳会会長。遭難事故現場での救助活動などにも触れている。昭和30年代の登山ブームは谷川岳に向かう日曜クライマーで夜行列車は満員、今とは違う熱気があふれた時代だったようだ。1990/12/28
まさこふん
1
戦中戦後の登山について書かれたものは案外少ないと思うが、そういった意味でも貴重な本だと思う。聞き書きではなく自分の経験や考えが、飾り気の無い文で書かれている。 また今なら出版できないようなものや乱暴な表現が多いが、それ以上に著書の人柄が偲ばれる内容。2018/11/14
yoneyama
0
東京の社会人山岳界の源流、墨田区緑の緑山岳会の寺田甲子男氏の本。ケンカケンカ、遺体収容、またケンカと、まるで男一匹ガキ大将の世界。大正13年生まれの戦前、戦後の谷川岳事情が書いてありすごくおもしろい。 僕は大学山岳部系の育ちなので、この岩壁登攀社会人の流れにこれまであまり深い縁がなかったのだが、とても魅力ある人たちがいて、常々その系譜を知りたかった2011/10/19
沼田のに
0
「山と渓谷」で見た平標から谷川岳縦走の記事見て谷川岳から平標縦走したいと思って計画書作ったりして楽しんでた時に「山と渓谷」でこの本知って読んだ訳だけど面白かった。作者の名前がフリガナふってないので分かんない。福島に甲子山でカシザンというのがあるけど変だ。後半でどっかのばーちゃんが「きねさんが来るから泣き止め」というせりふでやっと分かった。「ホキ」という符丁がよく出てきて笑わせるし新田次郎に文句を言って態度を改めさせるさせる話は興味深い。人望のある人が本音をぶちまけて、それが痛快で共感できて爽快。8/102018/04/25