内容説明
「ハムレット」に対するわれわれの理解を妨げ歪めてきた近代の言説秩序とは何か。新たに書き下ろした序文を付す。
目次
第1章 デンマークに亡霊が出る
第2章 孤独と権力
第3章 言葉、言葉、言葉、
第4章 劇場の戦争
第5章 狂気を演ずる
第6章 世界という劇場
第7章 〈作者〉は死んだ
第8章 King,Thing,Nothing
第9章 愛と時
第10章 さらば、私を忘れないでくれ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
7
「法は<邪悪な意志>という神話を否定し、彼が過去になしたもなや取返しのつかぬ非行を理由に個人を高びしゃに断罪することを拒否する。ハムレットの非行は彼の狂気の仕業であり、狂気は彼自身の敵である。そして個人は彼が過去に犯した過失に拘らず、狂気から覚め、偉大で高貴な者へと再生し成長する可能性を失うことはない。だから法の精神からすれば、あらゆる個人はハムレットである。人間はみな二重の存在であり、固定した自明な自己同一性をもたず、常に意外な変容の過程にある。法は学び成長する開かれた社会の仕事である」2021/09/13
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