内容説明
我が体を自由にするがもうけなり。平賀源内が疾走する大江戸戯作ワールド。小説平賀源内。
感想・レビュー
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Wyoshi
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前回読んだ「平賀源内」に比べるとかなり史実に基づいた小説という形をとっている。随所に文献からの引用などが出てくるのでよく研究しているなという感じ。その代わり、小説としてのストーリー性がなくなって面白みはない。何冊かこのような歴史小説を読んで思うが、みなもと太郎先生の「風雲児たち」は本当によく文献調査をして本人の性格も漫画でよく表しており、その完成度が目立ってしまう。歴史小説よりも漫画というメディアを用いたそのうまさはほかの小説を読めば読むほど凄さがわかる。漫画界の司馬遼太郎ともいえるだろう。2016/06/21
久恒啓一
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平賀源内(1728年生れ)という異能の持ち主の波乱の人生と彼を取り巻く個性豊かな人々、そして江戸の田沼時代の空気がよくわかる傑作だ。この本を読みながら、著者の小中陽太郎は源内そのものだと何度も思った。源内という人物を表す言葉。才気の人。諧謔の人。。千里の駒。戯作者。須原市兵衛。夢見人。起業家。天才。奇才。、、。この源内にして、最晩年の鬱屈があった。翔べなかった己を愧じた言葉である。 「ああ、吾、あやまてり。あたら小才と奇智におぼれ、お江戸の風に浮かれだこ」。第一回野村胡堂文学賞受賞作品。 2014/10/31
tko
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四国遍路の86ヶ寺、志度寺へ向かう途中に源内の生誕家があった。 源内があんな理由で投獄され獄死したとは、この本を読むまで知らなかった。 2012/08/12