内容説明
この愛が、私を強くしてくれる―キリスト教の世界では“悔いあらためた娼婦”として扱われてきたマグダラのマリア。しかし、原典が明かすその素顔は、ひたむきで、りりしい。イエスへの愛を一途に信じたひとりの女性が、そこには描かれていた。時をさかのぼり、最初に記された物語からマリアとイエスの絆をたどる。幾多の書物に描かれてきたマグダラのマリア。その真実を求めて、「マリアの福音書」をはじめとする原典を気鋭の宗教学者らが読み解き、マリアの素顔に光をあてた。
目次
序章 神秘と偏見のベールを脱ぎ捨てて
第1章 新約聖書の福音書とペトロの福音書
第2章 マリアの福音書
第3章 トマスの福音書
第4章 フィリポの福音書
第5章 救い主との対話
第6章 ピスティス・ソフィア
第7章 マニ教詩篇集「ヘラクレイデスの詩篇」
第8章 いま、なぜ、マグダラのマリアなのか
著者等紹介
マイヤー,マービン[マイヤー,マービン][Meyer,Marvin]
米国チャップマン大学の聖書・キリスト教学教授兼アルバート・シュヴァイツァー研究所長。グノーシス主義およびナグ・ハマディ文書、新約聖書外典の権威
デ・ブール,エスター・A.[デブール,エスターA.][De Boer,Esther A.]
米国の宗教学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みき
27
確か立花隆さんのブックレビューにあった本。娼婦であるとされたマグダラのマリアが女性唯一の使徒であることを示した本なんだけど、キリスト教徒ではない僕がマリアが使徒であるかどうかの重要性は理解できなかったというのが正直なところです。仮に娼婦だったとされた人が聖人だったとすると今までの解釈や活動が恣意的に歪められたものとなってしまうんだけど、大丈夫かいな。2021/10/26
かおりんご
27
マグダラのマリアは娼婦だったのに、改悛した人というイメージだったが、これを読んで変わった。マグダラのマリアの福音書があったんだ。知らなかった。さらに、マリアが熱心な使徒だったなんて。どこまでが事実かは分からないけれど、新しい発見だった。もっと読んでいこうと思う。2019/05/05