出版社内容情報
《内容》 骨格筋細胞は,「運動」という刺激に対して機能的かつ形態的に顕著な適応を示す.細胞の機能や形態的特性は,細胞を構成する分子の種類や数,分子によって形成される立体構造により決定し,分子はさらに遺伝子の支配を受けていると考えられる.つまり細胞1個の本質を分子レベルで解明し理解したうえでのみ,多細胞生物であるヒトの本質を解明できるということになる.■最近になって,「運動」に対する骨格筋細胞の適応現象を分子レベルでとらえ,その分子機構を解き明かそうとする研究がみられるようになった.■そこで,本書では運動器官としての“骨格筋”が機能するための形態的,機能的な特性および運動に対する適応に関して,分子そして遺伝子技術を駆使して得られた最新の知見を系統的にまとめ,さらに今後の研究の動向について積極的に論じた.■“骨格筋”に興味をもつすべての人に必携の書.
《目次》
主要目次■遺伝子の基礎知識■骨格筋内部の構造を分子で探る■a. 収縮タンパク質■b. 細胞骨格■c. 横行小管-筋小胞体■運動による筋細胞内部の構造を分子で探る■ a. 運動と収縮タンパク質■ b. 運動と横行小管-筋小胞体■筋細胞外部の構築を分子で探る■a. 細胞外マトリックス■b. 神経-筋■運動による筋細胞外部の構造変化を分子で探る■a. 運動と細胞外マトリックス■b. 運動と神経-筋■筋細胞のエネルギー生産機構を分子で探る■a-1. 細胞質における代謝調節■a-2. 糖代謝調節の分子機構■b. ミトコンドリア■運動時の筋細胞のエネルギー産生機構を分子で探る■a. 運動と解糖系酵素の遺伝子発現■b. 運動とミトコンドリア■筋細胞への情報伝達機構を分子で探る■a. 細胞膜■b. 細胞骨格■細胞への情報伝達機構を分子で探る■用語解説
内容説明
本書では、運動器官として筋肉が機能するための構造と構成分子、さらにそれを支える仕組みについて、遺伝子技術を駆使して得られた最近の新しい知識を踏まえてさまざまな角度から記述した。“運動”によってもたらされるシグナルを受けて、筋肉がどう応答し、その特性を変えうるかといった問題も念頭においてまとめられている。“運動”をめぐる諸問題に関心のある人たちに、運動の分子生物学、運動の生化学の教科書として役立つものである。
目次
1 遺伝子の基礎知識
2 骨格筋内部の構築を分子で探る
3 運動による筋細胞内部の構造変化を分子で探る
4 筋細胞外部の構築を分子で探る
5 運動による筋細胞外部の構造変化を分子で探る
6 筋細胞のエネルギー産生機構を分子で探る
7 運動時の筋細胞のエネルギー産生機構を分子で探る
8 筋細胞へのシグナル伝達機構を分子で探る
9 運動時の筋細胞へのシグナル伝達機構を分子で探る
著者等紹介
後藤勝正[ゴトウカツマサ]
聖マリアンナ医科大学講師
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