出版社内容情報
《内容》 ■心血管系はスポーツパフォーマンスを決める重要な因子であるだけでなく,運動負荷試験などにおける主要な評価対象となっており,体育・スポーツ,リハビリテーションなどの現場に関係する人だけでなく,関係学生や研究者にとっても大きな関心事である.■どの生理学の成書,運動生理学の教科書でも「循環」についてはかなりのスペースが割かれているが,酸素運搬系として循環系全体を統合的にとらえて解説したものはあまり見当たらない.■本書では運動時の循環に関心をもつものとしてごく自然の成り行きで,「循環の調節」を「運動」という側面から統合的に眺めてみようとの新しい試みで編集された.■「循環系がどのように調節されるか」といったこれまでのような解説ではなく,「運動の要求に対して循環系がどのように応えるか」との観点から,現在活躍中の方々に最新の知見を交え,まとめてもらった.■運動時の循環調節に興味ある方,循環についてはじめて学ぶ方,あるいは専門領域の方々にも広く興味をもっていただけるものと考える. 《目次》 主要目次第1章 循環システムの概観1.循環系の構成:循環回路/肺から組織へ/酸素運搬体としての血液2.骨格筋循環:最大血流と血流の不均一分布/骨格筋と脈管構造/血管増殖メカニズム/骨格筋代謝と循環調節3.循環システムの調節:調節系/反射性調節/機械的循環促進/システム調節/静脈還流量と心拍出量の関係4.運動時の血圧調節:血圧反応/血圧調節第2章 運動時の循環応答と調節1.酸素需要に応える反応:心拍出量の増大/活動筋重点主義の血流再配分2.運動時の循環調節モデル3.運動シークエンスからみた調節:安静から運動へ/運動継続時/疲労時/回復期第3章 運動強度に応える:全身運動の循環調節1.血流調節のしくみ2.血流調節における神経性調節機構:セントラルコマンド/動脈圧受容器反射/活動筋からの反射調節機構3.血流調節における局所性調節機構4.全身運動時の循環反応:安静時から低強度全身運動時の循環反応/中程度から高強度全身運動時の循環反応5.運動時の血流配分調節第4章 さまざまな運動に対する循環応答と調節1.静的運動と動的運動に対する応答:運動様式による相違:静的運動中の循環応答とその調節/動的運動に対する循環応答とその調節2.全身運動と局所運動:活動筋量による相違3.上肢・下肢運動:活動部位による相違4.筋群間・筋群内の血流分布の相違:筋の形態的・機能的特性の影響5.複数筋群の運動6.酸素運搬系と酸素消費系の対応第5章 運動時循環におよぼす環境の影響I.姿勢 (重力)/微小重力環境と運動1.酸素運搬に対する重力の物理的影響:下肢運動筋/心臓血管系機能/肺循環2.運動時循環への重力の影響:運動筋化学 (代謝) 受容器の刺激/姿勢変化に伴う血圧調節系の影響3.最大運動能力に対する姿勢/重力の影響4.運動中の急激な姿勢変化II.高温環境1.皮膚血流量および発汗調節2.高温下の循環調節:安静/運動3.加齢の影響III.高地 (低酸素)1.急性低酸素環境下の循環調節:安静/運 動2.高地順化IV.水中運動1.水中環境が生体におよぼす影響2.水中運動時の酸素運搬能第6章 身体活動と不活動に対する心血管系適応1.身体活動と心血管系の適応:心拍出量の増加と配分/酸素の運搬と筋の血流取り込み/心拍出量増加と神経調節/心拍出量の液性調節/1回拍出量とスポーツ心臓/心拍出量と静脈還流量2.不活動と心血管系の脱適応/起立耐性の低下/圧受容器反射の感受性/血管コンプライアンス/筋の廃用性萎縮/循環血液量の減少3.ベッドレストの運動:最大下運動中の心血管系/最大運動中の心血管系/動的レジスタンストレーニング/不活動後のトレーニング第7章 加齢と運動時循環反応1.加齢に伴う運動能の変化2.心臓の加齢変化と運動時循環反応:心拍数/心筋収縮性/前負荷/後負荷3.大動脈の加齢変化と運動時循環反応:酸素運搬システムとしての大動脈/大動脈の加齢変化と運動時循環反応4.末梢循環の加齢変化と運動時循環反応:動静脈酸素較差/冠循環/四肢末梢循環/皮膚循環用語解説
内容説明
本書は、「循環系がどのように調節されるか」といったこれまでのような解説ではなく、「運動の要求に対して循環系がどのように応えるか」との観点から、現在活躍中の方々が最新の知見を交え、まとめたものです。
目次
第1章 循環システムの概観
第2章 運動時の循環応答と調節
第3章 運動強度に応える:全身運動の循環調節
第4章 さまざまな運動に対する循環応答と調節
第5章 運動時循環におよぼす環境の影響
第6章 身体活動と不活動に対する心血管系適応
第7章 加齢と運動時循環反応