内容説明
隠蔽された本当の日本の歴史を今、照らし出す。
目次
東亜百年戦争―約一世紀つづいた「一つの長い戦争」
薩英戦争と馬関戦争―予想を越えた日本の抵抗力
明治維新と英仏謀略戦―坂本竜馬スパイ説
征韓論―抑えられた出撃論
武装せる天皇制―未解決の宿題
日清戦争と三国干渉―「日本の悲壮な運命」
日露戦争の推進者―日本の「右翼」の源流
右翼とファッシズム―日本にはファッシズムはなかった
ホーマー・リー氏の日米必戦論―日米戦争開始期についての一つの傍証
朝鮮併合―ナショナリズムには牙がある
条約改正―日本は56年間不平等条約の下に苦しんだ
昭和動乱の思想的背景―大川周一と北一輝
満州事変の序曲―張作霖爆殺事件
内政派と外政派―外政派の爆発としての柳条溝謀略
日中戦争への発展―「東亜連盟」の理想と現実
昭和維新―間に合わなかった「敵前作業」
大東亜戦争開戦―破れて悔いなき戦争
ナショナリズムには牙がある―ネールの警告
日本・アジア・世界―未来へのかすかな見通し
著者等紹介
林房雄[ハヤシフサオ]
明治36年大分市に生まれる。大正8年熊本の第五高等学校に入学。大正12年東京帝国大学法学部政治学科に入学。昭和2年「前衛芸術家同盟」を結成、機関誌「前衛」を創刊。短編集『林檎』を春陽堂より刊行。昭和50年死去
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感想・レビュー
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ソウ
6
筆者の感情の高ぶりが過ぎているように感じましたが、「東亜百年戦争」という視点を興味深く読みました。本書を称賛する方々は、沖縄の米軍基地撤廃どころか首都圏の制空権さえ未だに取り戻せずまたその努力を放棄し、ロシアに経済協力という名のお金を上げた挙げ句に北方領土返還を実質放棄し、大東亜共栄とは真逆で近隣諸国を蔑視し、日本国民の富を大量に株式市場に注入し欧米のファンドに垂れ流している、現在の売国政策(あくまで私がそのように感じているだけです)をどのように見ているのだろうか?とても気になりました。2018/10/30
garnet_05
4
作者はプロレタリア作家から転向した林房雄。「薩英戦争」と「馬関戦争」から「大東亜戦争」までの歴史を、欧米諸国のアジア植民地化に対する反撃の歴史「東亜百年戦争」として捉えているのが興味深い。戦争当時の生活を描いた部分も読んでいて面白かった。多くの日本人に一度は読んでもらいたい名著。2012/02/21
Toshio Iwamura
3
歴史を百年の単位で見た壮大な歴史観に魅了される。「侵略」だ「自衛」だといった小手先の議論ではない、骨太の議論は圧巻
ひろくん
1
「東亜百年戦争」という視点は興味深く読むことができた。2012/11/28
偽教授
0
パラ読みしただけだが、腰を据えて読む価値はないこともない。2013/08/17