内容説明
家庭の貧困から心ならずも十三歳で辻遊郭に売られた山入端つる。芸を身につけ、そこを出奔。三味線片手に宮古、大阪、奄美、東京など、捨て身で渡った人生行路。常に芸能の神の見守られて沖縄舞踊の地方(じかた)に徹し、その地位向上・発展に心血をそそぐ…。
目次
序 浮草のように
屋部の巻 山原の貧農に生まれて
辻の巻 十三で身売り芸の道へ
放浪の巻 職を転々荒波の渡世
子育ての巻 戦時下に希望を求めて
疎開の巻 にわか百姓奮戦す
芸能保存会の巻 三味線片手に東奔西走
「颱風」の巻 東京砂漠に沖縄の灯ともす
顧みて 大海原に漂う小舟のように