感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッキー提督
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88年のフリードバーグの著作。同時代の英国が、経済的に相対的に力を落とす中で、一方で陸海軍の予算増大を迫られるという状況にどう対処したかを論ずる一冊。表面的な動きだけでなく、国内の議論に重点を置いており、危機的状況が予想される中でも、国内で資源の配分を巡る意思決定の難しさを痛感させられる。 この大英帝国が陥った状況は、近年の日本や米国の状況に重ね合わせることが出来るものであり、実際に著者のその後の研究はそちらに向かっている。 問題点としては、原書の全訳ではないこと(理論面の分析を割愛している)、2016/12/04