内容説明
エリクソンの数々の論文、そして著者との100時間以上に及び対話から、エリクソン療法を解説する。
目次
1 戦略的な心理療法
2 家族のライフサイクル
3 求愛期:青年に変化をもたらす
4 若者の性格改造
5 結婚とその結果
6 出産と子育て
7 夫婦と家族の難局
8 親の子離れ
9 老年の苦悩
著者等紹介
宮田敬一[ミヤタケイイチ]
1977年九州大学大学院博士課程中退。1986~87年ワシントン家族療法研究所留学。J・ヘイリー、C・マダネスと共にストラテジックアプローチの研究に従事。現在日本ブリーフサイコセラピー学会創設会長、現常任理事、日本心理臨床学会理事、日本催眠医学心理学会常任理事、日本電話相談学会理事、アメリカ夫婦・家族療法学会臨床会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あべっち
4
エリクソンはクライアントの誤った信念を逆手にとる。たとえば、自分をキリストだと主張する患者に対しては「君は大工としての経験が有ると思うのだが」と話しかけて作業に参加させるのだ(pp.24-25)。エピソードのおもしろさには比類がないが、あまりにできすぎていて本当に実話なのこれ? とも思う。そういう意味でまさにアンコモン。4章の事例は同性愛を病気扱いしているように読めて一瞬びびったが、文脈を見ると同性愛の治療ではなく女嫌いの治療だったのでオッケー。(認知)行動療法との違いについては監訳者の解説をどうぞ。2013/01/19
おやつ
3
目から鱗というかなんというか。もう、絶句。読みながら何回も読書を中断して放心していた。20世紀最大のセラピストと呼ばれる所以はこういうことだったのか。。エリクソンについての本は以前読んだときはそこまでピンとこなかったのに、今これほど感銘を受けるようになったのは自分が成長したからと思いたい。本当の魔術師のような技法もさることながら、バイタリティもすごい。いくら治療のためとはいえ、相手を4時間も罵倒し続けるなんて、私にはできないよ。ただ、圧巻。2017/01/17
ロク=デモス・ナオ
3
ミルトン=エリクソンと聞くとただ漠然と天才的な催眠の技術をわたしは思い浮かべるんだけど、この本はそういうイメージを良い意味で裏切る。常識的で具体的な人間観人生観に基づいた柔軟な治療スタイルに、ただただそうだよねそうだよねと頭の中で相槌をうちながら読みました。2012/10/26
KEI°
3
しわくちゃの紙幣を差し出し、泣きながら「私はただの間抜け、ばかです。」「どうか助けて下さい。」と訴える、汚く、みすぼらしい身なりの23歳のハロルドをエリクソンはいかに治療したのか。個人崇拝はするべきではないかもしれないが、まるで神にも似た力を感じさせるエピソード。これ以外にも、まるで、聖典を読んでいるかのような珠玉の物語の数々。理論に縛られることなく、過去にとらわれることなく、創造力と柔軟な思考、それに伝説となった観察力を武器に、クライアントに変化をもたらす、まさに天才。2011/05/19
postag
2
オハンロンが断片的に述べている技法の数々を、「ライフサイクル」概念に沿って具体例によって示す。具体的な治療シーンを覗き見るのに最適な本。2015/05/03
-
- 電子書籍
- 【電子版】ドラゴンマガジン 2022年…