内容説明
いわれなき嫌疑で懲役を余儀なくされた飛竜こと飛島竜一元刑事は、七年ぶりに訪れた池袋に立ち愕然とする。中心勢力であった台湾華僑グループの力は衰え、新華僑と呼ばれる大陸系華僑グループが池袋北口の繁華街を跋扈し、そこは無数の中華料理店が軒を連ねた池袋中華街そのものだった。一方、夜になれば密輸拳銃、臓器売買、売春、そして麻薬の舞台となるこの街に、いったい何が起きているのか?池袋華僑グループのボス・老母の死と東京湾品川埠頭で発見された中国人遺体をきっかけに、飛島は池袋チャイナタウン・プロジェクトの背後でうごめく巨大な権力の存在と恐るべき本質を把握する。
著者等紹介
森田靖郎[モリタヤスロウ]
作家。関西学院大学経済学部卒業。1972年、文革中の中国チベット地区訪問で、辺境地に下放された大都市出身の知識青年と交流を持つ。その後、天安門事件、改革開放へと進む中国フレームに取材活動を展開し、異色のジャーナリストとして新聞、出版、TVを中心に活躍。常に現場にたって発信しつづけるルポで定評がある。近年は小説執筆も精力的で、ノンフィクションでは書けない中国の暗部をスリリングなタッチで鋭く抉り、アジア犯罪小説の旗手として注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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