出版社内容情報
近代ヨーロッパに成立した自我意識が辿った変容と解体のドラマを、ヨーロッ
パの文学と絵画を通じて追究する。万能の理性に抑圧された感性と無意識の世
界は、文学と絵画にどのように表現されたのか? 図像学を駆使して書かれた
ユニークなロマン主義文学論。
目次
第1部 幽閉の詩学―ロマン主義の図像(〈崇高〉から〈恐怖〉へ―ゴシック小説の周辺;〈鳥籠〉と〈牢獄〉―囚われの現象学;〈閉鎖〉と〈解放〉―『嵐が丘』の世界;〈飢餓〉の図像学―欲望の美的空間)
第2部 〈窓〉の諸相―空間の図像学(解放の〈窓〉―ロマン主義への道程;内向する〈窓〉―ロマン主義の美的空間;外向する〈窓〉―ヴィクトリア朝の道徳空間;〈鏡〉から〈窓〉へ―ジョージ・エリオットの小説を中心として;逃避の〈窓〉―ラファエロ前派とその周辺;凝視する〈窓〉―19世紀後半における〈目〉の現象学;疎外する〈窓〉)
第3部変貌する図像―その現象的世界(〈ヴェール〉の陰にあるもの;〈仮面〉の造形;〈墜落〉の現象学)