内容説明
雑誌「夜想」「WAVE」「銀星倶楽部」「ur」などを中心に80~90年代の文学・アートシーンをトップスピードで駈けぬけた伝説のインディペンデント出版社、ペヨトル工房。ペヨトル工房はなぜ「解散」しなければならなかったのか?主宰・今野裕一と元スタッフたちが創業から解散にいたる20年をふりかえる。また、解散後の動きもリアルタイムで収録。ペヨトル・ファンのみならず、出版の未来を考える人にも必携の書。
目次
1 ペヨトル工房解散日記
2 ペヨトル興亡史
3 ペヨトル家のひとびと
4 解散実況生中継
5 ペヨトル工房の軌跡
著者等紹介
今野裕一[コンノユウイチ]
1953年生まれ。獅子座。中学時代、鎌倉市の卓球大会、個人優勝。東京都立大学人文学部人文科学科社会学専攻卒業。卒論は「ヒトラーと秘密結社」。1979年「夜想」創刊、ペヨトル工房設立
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
6
00年春解散発表したペヨトルのライブ感溢れる実録本。ここで村崎百郎は伏せていた自らの“出自”の一部を明かしているんだよね。約10年前の本だからネット環境など異なる点もあれど書物を愛する人々の意識は今にも通じる点も多々。山形浩生・柳下毅一郎らの若き日の姿も垣間見え興味深いが深く関わった名物編集者が複数寿命とは言い難く鬼籍に入ったとは…嘆息。2010/08/07
warimachi
5
この本が出たのが2001年、僕が『ソフトマシーン』を読んだのが2009年。リアルタイムでこの出版社に関わりようがなかったわけで、世知辛いなあと。ただ、倒産時の在庫をうちの近所の古書店が引き受けたという噂は聞いたことがあったし、実際にその店で求めたこともあったが、あらためてそれが事実と確認でき、少しは救われたような気持ちにもなった。2022/09/14
凛
4
解散してからその存在を知った出版社。取り扱う内容は一貫した精神性を持っていて完全に理解できない自分が歯がゆい。出版関連の知識がなかったので勉强になりました。また、インターネット黎明期の匂いがぷんぷんして思う所がありました。2013/01/19
takao
3
ふむ2024/03/03
さなぎ虫
3
2000年ごろ、わたしはまだお金を自由に使えるほど持っていなかった。バンギャはお金がかかるのだ。ペヨトルよりもトレヴィルの本を多く持っているわたしだが、夜想はBNを見つけてはコツコツ集め続けている。いまでも在庫をどこかに隠していないかな。今野さんが日本の文化に、アートシーンに、与えた影響ってのはすごくて。この本を読んで、パラボリカ・ビスが浅草橋に在る事が重要なのかな、と思ったりした。また、お茶を飲みに行きたい。2013/05/04