内容説明
戦争児童文学の名作が、戦争がなくなるはずだった時代に還ってくる。戦争をテーマに、創作民話の手法で、時代を超えて語り継がれる人間像を描く三編。東京からの疎開学童浩子と、村の寺の後継ぎの少年信昭との交流、脱走兵2人との邂逅をめぐっての村人たちの騒ぎを描く表題作。召集令状で一人息子を戦地に送ったお婆と、家の守り神オシラさまの、それからを描く「戦争に出かけたオシラさま」。鉱山の強制労働現場から脱走した中国人と、日露戦争の元勇士のじっさまが織り成す奇蹟のドラマ「ばんざいじっさま」。二編を併録。