出版社内容情報
農場に住むロバのアルフ。おじいさん、おばあさん、ネコ、イヌ、カナリヤと一緒に暮らしています。アルフの目下の関心事は、自分だけが働かされ、愛されていないのではないか、ということです。ある日、不満がつのったアルフのとった行動は、家出!しかも家出に選んだ場所はちゃっかりと、自分が居なくなったあと、みんなの様子が見えるようにと、屋根の上。誰しも不安になると、不安のもとを確かめたい衝動にかられるもので、子ども達はアルフの行動に一喜一憂し、まるで自分が体験しているような気持ちになることでしょう。きっと大人にも、身に覚えのある気持ちではないでしょうか。最終的には、仲間の良いところや役目に気づき、無事にみんなのところに帰ることができたアルフ。孤独感や疎外感を語っているように思いますが、読み終えたあと、みんなの愛情を感じ、あたたかな気持ちになり、周りの人を一層いとおしく感じるようになる作品だと思います。
わが家でも、子どもから「よんで!」とリクエストが多かったですね。(企画広報課 O・Y)
およそ7~8才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひな
18
今月のぶっくくらぶより長女用その2。表紙をみたときは犬かと思ったのだけど、ロバだった。。特に何をしてるようでもないのに可愛がられている他の動物たちがうらやましくて真似するけどうまくいかなくて、ついに家出!一生懸命さが空回りするアルフが読み手には可愛らしくて仕方がない。うまくいかないならうまくいくようにすればいいんだと、行動を起こすアルフがなんだか誇らしくなる。一度離れたからこそわかる他の動物たちの価値や自分の存在意義。愛すべきロバの、素敵なお話でした。2016/07/31
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
覚書 『司書と先生がつくる学校図書館』より2年生向け。2021/03/28
光
6
読友さんの感想を読んで。娘の本棚にあったはずと思いだし再読。 この作品は、娘への読み聞かせを、そろそろおしまいにして1人で本を楽しむ時期かな?と感じてた時期に読んだ作品。『絵が出てるページになったら言ってね』と目を閉じてお話を聞いている姿が思い出されました。自分への愛を確かめるために、犬やカナリアや猫の真似をしてみるのですが…一生懸命なアルフが愛しくなりました。2015/04/25
kiki
4
《娘の本棚》アルフの気持ち、とても分かる…と一々が身に染みるし、家出をしたことによって俯瞰的な目線と、それぞれの役割というものの学びを得て己自身の考えの誤りを認めるところなども共感が止まらなかった。絵本の動物は淡々と働くことも多く、その姿にこちらも背筋を伸ばし正しさを思うのだけれど、こうやって立ち止まり、時に間違えながら進む姿には勇気や負けない力を感じる。ところで、この本を手に入れて5年。初めて読んだのですが、今まで表紙の主人公をネズミと思っていた。読み進めネズミ出てこないと表紙を確認。ロバでした。2021/09/13
timeturner
2
うひゃあ、楽しい。アルフの気持ちがよくわかって応援してしまう。表紙の絵でロバだとわかった人はえらいと思う。2014/03/13