出版社内容情報
引退したはずの漁師のバート・ダウじいさんは、今日も、おんぼろ船「潮まかせ号」をあやつり、仲良しかもめと一緒に、沖釣りに。「あれ、なんだか でかい獲物だ」と、たぐり寄せてみれば、なんと、くじらのしっぽ。釣り針のあとにバンソウコウをはってやると、くじらは嬉しそう。おや、嵐がきそうだ。くじらよ、口をあけてくれ、そこへ避難することにしよう。飛び込んだところは、真っ暗なくじらの胃袋。いつまでもいるわけにはいかない。脱出成功! でも、そこには、なぜか、色とりどりのくじらの群れがバート・ダウじいさんを待っていた。 (K)
およそ8~9才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
131
1963年、アメリカの絵本。海に生きている年老いたバート・ダウおじさん。今日も沖釣りに向かいます。釣りをしていると突然、海の中に引きずり込まれます。そして、海の青が黒に変わります。荒れる大海原、海の洞窟に飛び込んで、マッチを擦ると黒から桃色の世界に変化します。そこを黄色に染めて脱出しました。…色鮮やかで臨場感があり、海の生き物に愛されているユーモアたっぷりの物語。…小さな船で海に出るのは、想像以上に気をつけないといけません。西風は船を小刻みに揺らし、海流は岸から遠ざけます。海を知る人は、海を愛しています。2021/07/11
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
101
1963年出版のカラフルな冒険譚。引退した沖釣り漁師のダウじいさんは、今も2艘の舟を大切にしていた。1艘は陸でゼラニュームとスイートピーのプランターとして使い、もう1艘の『潮まかせ号』で海に出ていた。ある朝、おしゃべりかもめと一緒に海に出たじいさんは舟が垂直になるほどの引きを経験した。釣糸を辿っていくと現れたのは、巨大なくじらだった……。ヘミングウェイを思わせる世界にほら話を織り交ぜた楽しい絵本。邦訳されているロバート・マックロスキー氏の本はこれで全て読んでしまった。穏やかな世界を堪能できて感謝。2016/07/01
♪みどりpiyopiyo♪
57
お茶目なおじいちゃんの、勇敢で壮大な冒険物語?を読みました。もう引退したものの、時々、「潮まかせ」という名の舟に乗って海へ出ているダウ爺さん。隠居生活の穏やかさと、カラフルな毎日。そして沖へ出れば思わぬ荒波に揉まれます☆ ■POPで躍動感のある絵が大迫力! 海が大好きで、子供たちを慈しんだ作者の思いが伝わります。■こうして、好きなことを続けながら朗らかに年を重ねて行けたら幸せだなぁ。子供が読めば迫力満点! 大人が読めばクスッと楽しい、大冒険活劇でした (๑`・ᴗ・´๑) (1963年)(→続2020/04/15
seacalf
39
カラフルですこと。陽気な雰囲気が伝わってきて、いかにもアメリカン。引退した漁師のバートじいさんが相棒のカモメと共に、気まぐれエンジンと水漏れのするおんぼろボートで漁に出るお話。くじらの体内に入るエピソードは、有名なピノキオやワンピースのラブーンでもおなじみ。いくらお腹から出たいにからって、バートじいさん、やりすぎなのでは。躍動感ある絵が多く、引き込まれること間違いなし。2020/07/04
たまきら
24
どこの国にでもいるよね、こういうじいさん。のんきで、にこにこしていて、友達がいるようないないような、家族の女性の尻に敷かれっぱなしなような…。老人と海愉快バージョン、と言った感じの楽しい一冊です。2020/12/08
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- 和書
- 私刑警察激弾! 徳間文庫