目次
1部(シンガポールの歴史;シンガポール映画の歴史;文化・芸術政策と映画産業推進政策)
2部(表現の自由と規制の間で;ノスタルジーと歴史再評価;言語と大衆文化;宗教と民族の歴史;教育と階層の固定化;徴兵制と国民意識;LGBTと伝統的家族観;加速する少子高齢化社会;外国人労働者と差別意識)
著者等紹介
盛田茂[モリタシゲル]
1949年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、三井不動産株式会社、株式会社スタジオジブリに勤務。2006年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。2011年、明治学院大学大学院文学研究科映像芸術学専攻博士課程修了(芸術学博士。学位論文:1990年代以降の「シンガポール映画再生」言説の再評価と課題)。現在、立教大学アジア地域研究所特任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kan
22
シンガポール訪問の復習のために借りてみたら思いがけず分厚いハードカバーに怯んだ。一つ一つの映画評は斜め読みだが、言語・民族・教育・社会階層・兵役・住居事情・外国人労働者への差別意識など、訪星して目にした「影」の部分の背景や分析を読めてよかった。リークアンユーの築いた繁栄の合わせ鏡となっている、強権的な体制、検閲、効率重視の競争社会の、映画などの文化・娯楽産業への影響は大きいのも頷ける。メディア全体への規制を考えれば映画もそうだろう。シンガポール映画は未経験だが、本書の解説と共に観てみようと思う。2025/04/03
西村章
4
シンガポールでこんなに豊穣な映画が制作されていることを知らなかったので、徹底的にシンガポール映画を観尽くす姿勢にも感心したけれども、それらの作品を通じてこの国のありようをここまで深く切り取る手腕(=シンガポールへの好奇心)にも感服した。第6章「徴兵制と国民意識」第7章「LGBTと伝統的家族観」第8章「加速する少子高齢化社会」第9章「外国人労働者と差別意識」などはとくに、日本社会に対しても照魔鏡となるような指摘が多く、総じて非常に面白く読めた。2016/07/09
しまうま
0
単なる政策とエピソード、そして映画の紹介に留まっている。だが、それが良い。学術書まで昇華できないのなら、こっちの方がしみ入る。でもね、何でも政策のせいにするのは短絡的なのでは。それと、各章終わりに日本の政策(批判)に無理矢理こじつけるのは要らない。2021/04/12
Akio Kudo
0
★★★まさかまさかのシンガポールの映画事情が、結構面白い。表現の自由が制限されている中でどんな表現にするかがポイントだったりする。2018/12/18
-
- 和書
- 臓器賭博 角川文庫




