内容説明
経済成長至上主義、原発推進、対米従属、超高齢社会厭悪、場当たり厚労省、そして日本人お気に入りの“絶対善”安住。これら本質的問題を避けた従来型「観念先行・カマトト社会保障論」など、政治には痛くも痒くもない。著者の「闘う社会保障論」は、あくまでも現実に立脚し、そこを基点に真に必要とされる社会保障へと肉薄する。社会学研究者による類書なき暮らしの場からの画期的論考。
目次
第1章 社会を閉塞・劣化させた張本人は“絶対善”信奉という自己救済
第2章 日本社会の再生は「脱原発」を措いては始まらない
第3章 日本社会をミスリードする「経済成長至上主義」幻想
第4章 社会保障は必要悪でも絶対善でもない必須のアイテム
第5章 人口減と高齢化は否定すべき負の社会現象か
第6章 認知症高齢者介護を問題の中心からはずす政治的意図
第7章 せっかくの介護保険制度を漂流させる厚労省
第8章 医療現場の疲弊を放置すれば日本社会は危険水域へ
終章 “絶対善”の集積が招いた鬼っ子「安倍政権」に国民は
著者等紹介
阿部道生[アベミチオ]
1946年名古屋市に生まれ、東京都に育つ。埼玉大学教養学部卒業。日本重化学工業(株)総務人事部長、関係会社社長を経て執行役員経営企画部長在任時に自主退職。研究・執筆活動を開始。現在、「阿部社会学ラボ」主宰、日本風俗史学会常任理事、日本社会学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T坊主
2
1)日本人に巣喰うことなかれ主義、お上に対する依存主義、絶対善が政治家、官僚にみる各種の先送り、近視眼的施策を生んでいると。特に医療、福祉、介護の分野に財政再建の旗印の下、財務省の支店になり下がった厚労省の現場を知らない机上の空論で施策を進めている事に対して痛烈に批判。2)成熟段階に入った日本、経済至上主義、新自由主義を掲げて弱肉強食を益々進め、市場原理主義に加担してアメリカの大企業を参入させ、おいしい部分を献上し、そのおこぼれにあずかろうとしている自称ナショナリストの政治家、経営者、学者達。2015/05/15