出版社内容情報
まだ誰の眼中にもない真ヒーロー、フジイ!
職場では空気みたいな存在感の独身男性。
なのに、その生き方は破格の格好良さ!
コスパとかマウントとか承認欲求とか、そういうものの為に戦ってる人生が
なんだかどうでもよくなってくる…我々の価値観の外側で生きる男がここにいる!
前作『リボーンの棋士』で才能を炸裂させた鍋倉夫氏が新たに生み出した
令和のニューヒーロー「フジイ」が、
みんなが囚われている「幸せ」の概念ごと、爽快にぶち壊してゆく!
【編集担当からのおすすめ情報】
「喧嘩した友達と仲直りした。好きな人と両想いになれた。気がかりだった面接がうまくいった。そんな時--世界が輝いて見える」
「でも……そんな瞬間、長いこと経験してない」
第1話の冒頭、主人公の職場の後輩が心の中でつぶやくナレーションに
担当編集はいきなり横殴りにされました。
充実している人間と、そうでない人間とが一緒に暮らすこの世の中で
誰もが一度ふと考えてしまう、あるいは考えないようにしている
「いい大人が声に出して言いづらい感情」をバーストさせてくる
けっこうとんでもない漫画が誕生してしまいました。ぜひご一読を!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
68
空気を読まないフジイなんだけど、とても誠実で、彼の良さを知った人たちが少しずつ周りに集まってくる。なんか勇気を与えられる。2024/05/02
眠る山猫屋
53
繰り返し読む、何度目か・・・。黙々と仕事をこなす派遣社員フジイ。特に仕事が出来る様子ではなく、きっと平均的な男に見える事だろう。趣味は多彩だが、卓越したものがあるわけではなく、何を云われようとも「好きな物事」を善しとして続けているようだ。そんなフジイが周りに与えていく波紋。頑なという訳ではなく、自分のルールに縛られている様子でもない。ただ、彼を見る周りの人間たちには、鏡のように自分自身を考えせられてしまう、そんな生き方があるようだ。単なる純粋さとは違う。けれどよく捜せばすぐそばにいそうな、そんな男の話。2024/04/17
新田新一
42
2025年度の『このマンガがすごい』オトコ編5位の作品です。承認欲求や自分が優位であると誇示する態度とは、全く無縁の藤井が主人公の物語。人間なので認められたいと思うのは自然ですが、それが過度になるとうんざりします。藤井は承認欲求ゼロの男です。会社の同僚からは馬鹿にされているのですが、気にしません。彼が同僚にたずねられて、「人生が楽しい」と言い切るところが印象的。人に認められることにこだわり過ぎると疲れます。藤井のように生きるのが一番良いと感じさせてくれる良い作品でした。2024/12/31
ニッポニア
42
孤高、に憧れる。本当に強いのはこういう人、周りが徐々に気づく過程が丁寧で好感持てるね。好きなことを、興味の向くままに行って、群れない。迷い鳥を追って走るフジイと相馬、その一瞬の充実感よ。両親を善良な人たち、と評するフジイ。思い出さないだけ、思い出せないだけ、あなたも一度はフジイとすれ違っている。2024/09/16
イーダ
28
WebCMに出てきて、ちょっと気になって試し読みして、面白かったので買ってみました。これは良作!冴えない中年の非正規社員のフジイさんですが、なんとも素晴らしい存在感。価値観が本当に良い。日々の楽しみ方が淡々としているけど、他の人が見落としている人生の楽しみ方を知ってるという感じですね。これは二巻も読まねば。2024/03/14