感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
126
クロケットおじいさんとモミの木の物語。「窓際にちょうどいい場所があるよ。お日様に当たってたっぷり水を飲めば、じきに元気になるよ。春になったらふかふかにほぐした土に降ろしてあげようね。」~枯れたように見えて枯れていないモミの木を助けたくなる心。皆が見向きもしないものにこそ意味がある。今美しいものが欲しいのか、これから輝くものに惹き付けられるのか…。その感性にすごく共感します。透き通った心を持つ子どもには、おじいさんの優しさが伝わったようです。モミの木さん、今度は小鳥たちと一緒におじいさんを癒してあげてね🎄2021/01/10
ちゃちゃ
99
花屋の飾りつけがクリスマス一色になる頃。変わり者のクロケットさんが選んだのは、枯れかけたみすぼらしいモミの木。彼はモミの木をお日様の光に当て水をやり、日々語りかけた。春になると家の前に植えて丁寧に世話をし、遊びにやってきた小鳥たちにパンくずを与えた。何年かの後、雪降るクリスマスの日、緑のモミの木は色とりどりの小鳥たちに囲まれ、まるで美しい虹が渦を巻いているよう…。周囲からの偏見を気にせず、惜しみなく愛情を注ぐことで、いちばん満たされたのは自分自身。幸せは、私たちの日々の心のありようが運んでくるのですね。2022/12/24
☆よいこ
80
児童書。薄くて小さい本。ある町の美しい通りは、かつての賑わいをなくしお金持ちの人たちだけの住む通りになっていた。長いこと空き家になっていた家にクロケットさんが越してきた。クロケットさんは他のお金持ち住人とは違っていて、変り者だった。クロケットさんは花屋の隅で枯れかけていたモミの木を買い、家の前に植えた。小鳥にえさをやり、モミの木の世話をするクロケットさんを、通りを台無しにするつもりかと怒る人もいたが、通りの雰囲気はしだいに変わっていく。一本のモミの木が通りを明るくした。▽いい話。2022/12/19
さつき
76
花屋の片隅でほぼ枯れかかったモミの木を見つけたクロケットさん。丁寧に世話をして美しい木になっていく様子が描かれます。モミの木が元気になるにつれ、小鳥も集まり、その木陰で子供達も遊ぶ。努力は報われ気持ちはいつか通じ合うと信じられる作品です。長い時間をかけて木を育てることの魅力も感じました。2022/11/15
yamaneko*
71
クリスマスにふさわしい一冊。丁寧に枯れかけた木の手入れを続けるおじいさん。会話はなくても、時間をかけてゆっくりと植物や鳥たちとの交流を育んでいく様子が暖かい。2014/12/25