内容説明
この詩集「くまさん」は、まど・みちおさんの詩のなかから、52編を選んでまとめた1冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
161
まど・みちおさんの詩を読むと、ほっこりとにっこりとする。どこまでも自然体。いつまでもあたたかい。くまさんになれたり、ちょうちょになれたり、しろやぎさんに会えたりして。純真な視線があれば、たくさんの動植物が眩しく見えるのだろう。さくらがひとひら舞っているだけで、詩のこころは生まれてくる。空とも雲とも仲良くなって、星が光る夜にはもう眠っている。雨が降っても雨が止んでも楽しくて、海のように大きな水たまりをまたいで、浮かぶ葉っぱを見つめていると、ことりがやってきたね。そんな夕暮れ、帰り道。思い出すと笑顔になれる。2024/08/15
megumiahuru
44
「はるがきて めがさめて くまさんぼんやりかわにきた みずにうつったいいかおみて そうだぼくはくまだった よかったな」-いや、本当によかったです! 久しぶりに開いた「まど・みちお」さんの詩集。ここには、くまさんがくまであること、アリがアリであることが、しなやかにやわらかく肯定されています。ただやさしいというのと違います。悲しみや痛み、小ささ弱さも含めての大肯定! 「いいんだ、それでいいんだよ!」と小さな者に向けられたまなざし。今、天国からどんなまなざしで地上を眺めておられるのでしょうか。2014/03/03
Amy
36
言葉は言霊となって宇宙を顕わしているんだなと感じる詩集。「さくらのはなびら」「春がすみ」「リンゴ」「いい けしき」が好き。ページを繰る途中「石ころ」を読んで、これも童謡になっていそうだと思い調べたら、目当ての曲は見つけることができなかったが、石ころをテーマに歌ってる人が他にもたくさんいて驚いた。最後の解説を読むと まど みちお の『石ころ』をたとえとした文章があって、心に響いた。「石ころ」の詩のページで何かひっかかった意味がわかった気がした。2014/06/04
3月うさぎᕱ⑅ᕱ゛
28
本のサイズも、歌うような詩もとてもかわいかった♡ お家にひとつあるといいな♪*゚2016/01/28
海(カイ)
15
くまさん はるが きて/めが さめて/くまさん ぼんやり かんがえた/さいているのは たんぽぽだが/ええと ぼくは だれだっけ/だれだっけ はるが きて/めが さめて/くまさん ぼんやり かわに きた/みずに うつった いいかお みて/そうだ ぼくは くまだった/よかったな まどさんの詩の中で、特に好きな詩だ♪