内容説明
体格、性格、体験、環境―。混沌とした精神医学的状況に病者の全人格的理解を基調とする独自の視座をもちこんだ天才的精神科医の業績を明らかにする。
目次
エルンスト・クレッチメル―生誕70年に寄せて
多次元診断と疾患単位―唯1回の均一的病的出来事について
多次元精神医学―概念の起源と発展についての考察
診断学的分類法と命名法
実地臨床における体質診断学の役割
精神医学の観点より見た青少年犯罪
抑うつ状態の多次元的観察法についての一考察
人格〈分裂〉の精神病理学的・現代史的次元
偏執症様現象の診断における性格、体験、および状況の意義について
分裂性妄想患者の神秘的世界および生成史における自己発見
現象学的および精神療法的見地より見た学習過程
神経症の多次元診断
婦人科的観点より見た女性生殖器の成熟の問題について
カタルシス療法における多次元性
脳外傷研究のためのプロディスクリン体質の意義
チュービンゲンにおける神経病理学の諸問題と脳研究
神経科医、臨床および施設の補完性〔ほか〕