内容説明
言文一致に関する通念の誤謬を正す!明治期にそれは始まったのではなく、江戸期に、いやそれ以前から話し言葉表現はなされていた。それでは、明治期には何が実際になされたのか、二葉亭四迷は何をなし、また円朝の速記は何をなしていたのか。国文学の通念をくつがえす学術考証。文芸史において、中国、西欧で起きていたことに対比させながら、言語表現の変化を明解に説く画期的な書。
目次
序章 明治期「言文一致」神話を解体=再編する
第1章 明治期「言文一致」再考―二葉亭四迷「余が言文一致の由来」を読みなおす(なぜ、明治期「言文一致」が問題なのか?;山本正秀による「言文一致」論の根本的誤謬;今日の指標的見解の検討;「言文一致」の意味;前近代の口語体;二葉亭四迷「余が言文一致の由来」を読みなおす;「普通文」の平明化と「言文一致」;文体改革は「立体的まだら状」に展開した;子規の「叙景」、独歩の「情景」;結語)
第2章 三遊亭円朝考(円朝の再評価をめぐって;円朝の口演速記と小説の「言文一致」運動;円朝口演の写実性;円朝の位置)
著者等紹介
鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年生まれ。東京大学文学部仏文科卒。国際日本文化研究センター及び総合研究大学院大学名誉教授。1988年『新青年』読本(『新青年』研究会編)で大衆文学研究賞。パリ社会科学高等研究院客員教授、中国・清華大学人文科学院特任教授、吉林大学外国文学研究院特座教授を歴任。早くから日本文芸史の再編と取り組み、また近現代出版史研究に携わる。学際的な視野に立つ文理に跨る各種の国際的共同研究を開発、従事。日本の「文学」をはじめ、「歴史」「生命」「自然」等、基礎概念の編制史研究を開拓し、深化に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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