出版社内容情報
山本哲士[ヤマモトテツジ]
著・文・その他
内容説明
生きねば!コロナ禍、ウクライナ戦争、気候変動によって、世界秩序が根本から変わらざるをえなくなっている現在、ふたりの少女が示す人類の「生きる」シニフィアン(意味するもの)を探る。宮崎駿による壮絶なナウシカの戦いと愛。人類と村の生存を背負うナウシカは、王蟲と語らい、テトとカイによりそわれながら腐海の謎に挑み、大海嘯に直面し、巨神兵オーマとともに、世界を浄化へ向けてプログラムしている墓所を瓦解させる。傑作漫画7巻に肉迫する解読。まるでコロナ禍を予測していたかのようなマスクをしないと生きのびれない瘴気にあふれた森の世界。そしてミヒャエル・エンデの『モモ』は、灰色の男たちに時間を奪われた現代人のあり方を風刺しながら産業社会の根源をあらわにし、本来の人間のたいせつなあり方を示す。八ヶ岳場所セミナーの語らいからの書き下ろし。
目次
まえがき―「星の王子さま」から
1 『モモ』から学ぶ、たいせつなこと(モモとベッポとジジ―たいせつな存在とコンビビアルな関係と場所;時間をうばう灰色の男たち―ひっくりかえった生活世界;時間の花の国とマイスター・ホラ、そしてカシオペイア―本質的なもの ほか)
2 「生きる」ナウシカから学ぶ―対関係のやさしさ(「モモ」から「ナウシカ」へ;ナウシカとクシャナ;出会いと場所と出立 第1章 風の谷 ほか)
3 知をつくし情をつくしてたいせつなことを―現在世界としての「風の谷のナウシカ」と真実を語り見ること(生存と世界観)
終章 王蟲、カイ、テトが亡くなった悲しみをこえて生きる対の力
著者等紹介
山本哲士[ヤマモトテツジ]
1948年生まれ。信州大学教授、東京芸術大学客員教授をへて、文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクター。教育学博士。政治社会学、ホスピタリティ環境学など専門分割領域にとらわれない超領域的専門研究の研究生産と文化生産を切り開いてきた。大学を超える研究生産機関として文化科学高等研究院を1990年に設立、スイス・ジュネーブを拠点として海外の第一線の研究者たちと交通し、国際セミナー/会議をなす。さらにその超領域的学問の実際活用をなす文化生産ビジネス機関としてJapan Hospitality Academyを設立(2005年創設、2013年に改組)、そして2016年にweb intelligence Universityの動画配信知的システムを、2017年「文化資本学会」を創設し、2019年「一般財団法人・日本国際高等学術会議」を設立し、さらに「新資本経済学会」を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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