内容説明
五〇年の時の隔たりと政治的・文化的流行の盛衰を超えて、“68年5月”の出来事と同時代の思想の双方に触発されながら、現在について考える―。二〇一八年五月、京都大学人文科学研究所で行われた連続セミナー(全一〇回)の全記録。“68年5月”は今、私たちに何を問うているのか。フランス現代思想、政治、哲学、精神分析、歴史、エピステモロジー…、一〇名の論者が、それぞれの専門領域から思考する。
目次
1 “68年”から人間の終わりを考える(佐藤淳二)
2 “68年”以後の共産党―革命と改良の間で(小泉義之)
3 ドゥルーズ=ガタリと“68年5月”(1)―『アンチ・オイディプス』、『千のプラトー』をめぐって(佐藤嘉幸)
4 ドゥルーズ=ガタリと“68年5月”(2)―「“68年5月”は起こらなかった」読解(廣瀬純)
5 “68年5月”と精神医療改革のうねり(上尾真道)
6 “68年5月”にラカンはなにを見たか(立木康介)
7 学知ってなんだ―エピステモロジーと“68年”(田中祐理子)
8 京大人文研のアルチュセール―“68年”前後(王寺賢太)
9 偶像の曙光―イギリス「新左翼」についての小論(布施哲)
10 “68年”のドン・キホーテ(市田良彦)
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