内容説明
私は水族館の水槽の前でボーッと動物たちを眺めているのが好きだ。ボーッと動物たちを眺めていると、いろんな疑問がわいてくる。
目次
「海棲哺乳類」とはどんな動物のことなのか(村山司)
水族館Q and A(勝俣浩)
第1章 最初にイルカを想像したのは病院だった 水族館での海獣解剖研究と診療支援(植草康浩)
第2章 イルカの驚くべき知性との出会い 海獣研究の素顔:水族館から海獣研究を考える(村山司)
第3章 フィールドと水族館を繋ぐイルカの行動研究(中原史生)
第4章 イルカ研究は水族館で 水族館のポテンシャルに頼って四半世紀余(鈴木美和)
第5章 老舗水族館の研究 その歴史と現在(羽田秀人)
第6章 知れば知るほどおもしろい、水族館の裏話 鳥羽水族館はどんなところ?(若井嘉人)
第7章 動物福祉と環境エンリッチメントに向けて(村山司)
著者等紹介
村山司[ムラヤマツカサ]
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、博士(農学)。東海大学海洋学部教授、東海大学海洋学部博物館館長。専門:比較認知科学
中原史生[ナカハラフミオ]
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、博士(農学)。常磐大学人間科学部教授。専門:動物行動学、比較認知科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お抹茶
2
水族館経営の本ではない。研究志望者向けの本。当時日本では前例の少なかった海獣の研究の成果や水族館職員による実験例を記す。生理学や解剖学や行動・認知を研究したい学生を後押しするとともに,水族館と研究の繋がりを記して調査・研究の位置づけを示す。水族館での実験で,イルカは水中からも正確に空気中が見えるらしいということや錯視も起こしているということがわかった。動物達が検査の間じっとしてくれるためのハズバンダリートトレーニングは江の島水族館が日本初で,動物とトレーナーの努力があるから検体採取ができ,研究が成り立つ。2025/03/20