内容説明
太陽がまばゆいようにかがやくある日、深い穴のそばで不思議な子どもたちが発見されました。肌がグリーン。髪の毛もグリーン。着ている服もグリーンでした。1人は男の子で、1人は女の子でした。やがて村人たちは2人から話を聞きだしました。2人は人間も物も、すべてがグリーンいっ色の国からやってきたのです。見知らぬ国へきてしまった2人は、自分たちのグリーンの国へ帰りたいと願うのですが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花林糖
9
(図書館本)グリーングリーンの国から偶然やって来た姉弟の二人と村の人々との交流の物語。12世紀英国南西部での出来事を、別々の修道院の僧二人が書き記したのが民話として伝えられているそうで、とても不思議な不思議なお話でした。解説がとても興味深かったです。2015/07/22
ヴェルナーの日記
7
アラン・マークスの絵に綴られた物語は、著者がイングランドの先住ケルト文化の話をアレンジしたもの。ケルト文化には、数多くの妖精や妖怪などが活き活きとして登場してくる。そして、それらが風習・慣習として現代にまで伝わっている。本作も5月1日のメーデーがモチーフになっていて、これはケルトではペルティンの祭りが元になっている。村の広場にメイポールを立てて、リボン等で着飾り、村で選ばれたメイクイーン(ジャガイモの銘柄ではないよ)の周りを、メイポールのリボンを手にとって踊るお祭りでした。2014/10/28
けいねこ
1
おそらく地下の、なにもかもが緑の国から地上の世界に迷い込んでしまい、戻れなくなってしまった緑色の姉弟の物語です。英国で、修道士が記録している書物に基づいて書かれたそうです。人間の世界になじめなかった弟は衰弱して死んでしまうのですが、姉アーハは、人間の青年ガイの尽力で、人間の世界で生きていく決意を固めます。 訳者の戸田奈津子さんからの連想なのですが、映像にしても美しい画面に仕上がりそうです。それにしても、複数の修道士が事実ととして書き留めているそうなのですが、真相はなんだったのでしょう?
温
1
姉のアーハに心を寄せる青年ガイの、言葉や態度があんまり素直で、優しいので、くすぐったい気持ちになった。こういう率直さ、ひねくれていないのって、いいなあと思う。2004/07/13