内容説明
著者は、東北の大地に豊かな鉱脈のように内在する「聖なるものへのあこがれ」を、宮沢賢治の精神風土を通して掘り下げた。さらにそれを「日本的霊性の哲学」へとつなぎ、「大地の文学・大地の思想」として精錬し、新たな思想展開に備えようと試みた。本書はこうした目標に向けて歩んできた道程を、哲学的エッセイとして綴ったものである。
目次
序論 大地の文学・大地の思想―私の宮沢賢治論
第1部 大地の詩(イーハトーヴ・詩と哲学の根源;啄木と賢治の軌跡;『遠野物語』考;東北の風土と高村光太郎)
第2部 日本的霊性とキリスト教(鈴木大拙と日本的霊性;ドストエフスキーとニーチェ―精神の逆対応;日本の神学を求めて―大地の思想家達との出会い)
第3部 現代日本におけるキリスト教の問題(吉満義彦と遠藤周作をめぐって;出会いの世紀へ―仏教とキリスト教)
著者等紹介
小野寺功[オノデライサオ]
1929年岩手県生まれ。上智大学大学院哲学研究科修了。清泉女子大学名誉教授
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