内容説明
新井奥邃を端緒として田中正造、そして森有礼へと調査を進めていくと、彼らの中にはスウェーデンボルグ神学に源を発する普遍的なキリスト教思想が脈々と受け継がれ、それが明治期日本の思想形成にも無視できない影響を与えていたことを知ることができる。これまでの日本キリスト教史が見落としていたこの大きな伏流の存在を、スウェーデンボルグ神学の立場から明らかにするのが、本書の第一の目的である。
目次
第1章 新井奥邃の生涯
第2章 新井奥邃の思想とスウェーデンボルグ神学
第3章 新井奥邃と19世紀アメリカの宗教界
第4章 新井奥邃のスウェーデンボルグ観
第5章 日本初代の文部大臣、森有礼
第6章 森有礼の宗教思想と新井奥邃
第7章 明治期のキリスト教と森有礼
第8章 田中正造と足尾銅山鉱毒事件
第9章 田中正造の宗教思想と新井奥邃
第10章 日本人の宗教意識とスウェーデンボルグ神学
著者等紹介
瀬上正仁[セノウエマサヒト]
1954年1月に宮城県塩釜市で生まれ、仙台市で育つ。山形大学医学部を卒業後、仙台市内の病院に整形外科部長として勤務。専門は脊椎外科。高校時代から神道家の勝又正三師に師事し、師亡き後は彼の「魚と水の会」を「愛光会」と改称して継承。月一回の集会を仙台市内で開きながら、医業のかたわら、神道を主体とした東洋思想とスウェーデンボルグ神学との関連について研究を重ねている。「日本スウェーデンボルグ協会」(JSA)運営委員
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