出版社内容情報
新市場として期待される医療食・介護食の実態と必須事項を、医療現場・調理システム・包装/宅配システム・衛生対策等の視点から多面的に解説
■ 主要構成
第1章 医療食・介護食をめぐる行政動向と事業展開
第2章 ハイリスクグループの特徴
第3章 病院感染の現状と対策
第4章 医療食・介護食の衛生管理
第5章 医療食・介護食の調理・包装・宅配システム
■ 内容目次
第1章 医療食・介護食をめぐる行政動向と事業展開
第1節 医療食とは・介護食とは<合原康行>
1. 「医療食」とは
2. 「介護食」とは
3. 「医療食」「介護食」の在り方
第2節 医療食・介護食をめぐる行政動向と院外調理のガイドライン<横山理雄>
1. 医療食・介護食に対して行政はどのように動いているか
1.1 医療食に対する行政の動き
1.2 院外調理食における行政の動き
1.3 介護食に対する行政の動き
2. 院外調理はどこまで進むか
2.1 院外調理とは
2.2 院外調理食種類、包装と保存
3. 医療食・介護食の実態と問題点
3.1 院外調理による医療食の実態と問題点
3.2 介護食の宅配の実態と問題点
4. これからの医療食・介護食の事業展開は
4.1 院外調理の事業展開は
4.2 医療食の事業展開は
4.3 介護食の事業展開は
5. 院外調理における衛生管理ガイドライン
第3節 食品業界および院内サービスの対応と動き
-1- 森永乳業<武田安弘/篠田一三>
1. 流動食とは
2. 流動食から常食までのステージ
3. 流動食の種類・区分
4. 栄養成分とその原料
5. 製造工程
6. 包装形態
7. 今後の展開
-2- 明治乳業<一色広之>
1.医療・介護の場における栄養補給と食事
1.1 栄養補給の分類
1.2 経管栄養(流動食)
1.3 形態変化食
1.4 病態別食品
2.医療食・介護食に求められるものは何か
2.1 高齢者の身体変化と問題点
2.2 医療食・介護食に求められるもの
3. 当社の製品展開
3.1 総合栄養流動食(総合栄養飲料)
3.2 形態変化食
4. 今後の展開
4.1 PEM対応
4.2 プロバイオティクス・プレバイオティクスの応用
4.3 レオロジーの活用
4.4 機能性素材の活用
-3- キユーピー<濱千代善規>
1. 高齢者を取り巻く環境と社会福祉
2. 加齢と摂食機能
2.1 咀嚼障害
2.2 嚥下障害
2.3 唾液分泌量の低下
3. 栄養摂取量の問題
4. 摂食機能低下者のための食費の工夫
4.1 摂食障害の類別とその程度
4.2 咀嚼障害と食事の工夫
4.3 嚥下障害と食事の工夫
4.4 口腔衛生と食事
4.5 栄養面からの食事の工夫
5. 食品企業の役割と課題
-4- ニチレイ<毛利善治>
1. 糖尿病とは
2. 糖尿病食の現状
3. ニチレイの糖尿病食の取組み経緯
4. ニチレイにおける糖尿病食の設計
5. 糖尿病食生産上の問題点
6. 糖尿病食販売上の問題点
7. 糖尿病食の今後の展開
-5- シダックス<橋詰 豊>
1. 病院食の歴史
1.1 制度の変遷
1.2 入院時の食事療養費制度
2. 病院食の満足度
2.1 受療行動調査の結果
2.2 満足度が低いのはなぜか
2.3 満足度改善の必要性
3. 病院食における選択食
3.1 選択食加算の導入
3.2 選択食加算
4. 今後の選択食の発展
4.1 通常の食事選択
4.2 カフェテリアタイプの選択食
5. 主成分栄養管理
5.1 日本での一般的栄養管理手法
5.2 主成分別栄養管理
5.3 主成分別栄養管理による効率化
6. SMC導入病院での満足度
6.1 栄養改善学会での発表
6.2 SMCの満足度
7. 病院食の課題
8. 21世紀の病院食のあるべき姿
第4節 海外および国内の院外調理システムの現状<楠見五郎>
1. イギリスの例(1)
1.1 スタッフ数とシフト
1.2 運営サイクル
1.3 メニュー構成
1.4 作業工程と衛生管理
2. イギリスの例(2)
3. オランダのクックフリーズ方式のCPU
4. オランダのクックチル方式のCPU
5. 再加熱の様々な方法
6. 日本国内の院外調理システム
第2章 ハイリスクグループの特徴
第1節 微生物感受性<小沼博隆>
1. 腸管出血性大腸菌O157:H7
2. サルモネラ
3. ビブリオ・ブリニフィカス
4. 結核
5. レジオネラ
6. Q熱リケッチア
7. クリプトスポリジウム
8. クロイツフェルト・ヤコブ病
第2節 摂食と味覚<合原康行>
1. 食とハイリスクグループ
2. 食が果たす介護の役割
3. 嚥下容易性
4. 介護食に必要な視点
第3章 病院感染の現状と対策
第1節 病院感染の現状と問題点<大久保 憲>
1. 医療の質と病院感染
2. 病院感染の特質
3. 病院感染の感染経路
4. 易感染者にみられる日和見感染
5. 病院感染関連微生物の最近の動向
6. 細菌性食中毒
7. 病院感染防止の基本的な考え方
8. 厨房における消毒方法の要点
9. 見直すべき感染対策
第2節 院内外調理施設の感染防止対策<内田征志>
1. 院内食中毒の現状と問題点
2. 院内調理施設の食中毒防止対策について
2.1 ハード面における食中毒防止対策
2.2 ソフト面における食中毒防止対策
3. 院外調理施設の食中毒防止対策
第4章 医療食・介護食の衛生管理
第1節 食中毒菌を含む微生物の挙動と阻止対策<小沼博隆>
1. 微生物と環境
2. 微生物の生態
2.1 土壌微生物
2.2 空中微生物
2.3 淡水、海水微生物
3. 微生物の増殖と死滅
3.1 微生物の増殖
3.2 微生物の死滅
4. 食品の腐敗
5. 有害微生物
5.1 各種要因と発育
5.2 サルモネラ
6. 食品中における病原菌の挙動
7. 調理施設の衛生管理
7.1 調理施設内の温度
7.2 ゾーニングと動線
7.3 調理施設のドライシステム化
第2節 食品原材料に付着する食中毒菌と腐敗菌対策<矢野俊博>
1. 食品原材料に付着する微生物
2. 医療食・介護食の安全性とHACCP
3. 微生物制御法
3.1 熱殺菌
3.2 冷殺菌
3.3 洗浄
3.4 包装
4. 予測微生物学
第3節 食品原材料受入れ時のチェックポイント<大島 寛>
1. 環境の変化
2. 食材の供給
3. 食材の品質管理
3.1 卵類
3.2 畜肉類
3.3 鶏肉
3.4 魚介類
3.5 野菜・果物
3.6 冷凍食品・冷凍品
3.7 缶びん品、加熱加圧品、レトルトパウチ品
3.8 乾物
4. 保管
4.1 冷蔵保管
4.2 冷凍保管
第4節 調理加工工程での衛生管理<大島 寛>
1. 調理作業
2. 下処理作業
2.1 魚介類
2.2 野菜・果物
2.3 殻付き生卵
2.4 生肉類
2.5 コロモ付け
2.6 解凍作業
3. 加熱調理作業
4. 冷却
5. 盛付け・和え作業
6. 炊飯
7. 容器器具
8. 食器
9. 洗浄具
10. ダスター
11. 使用水
12. 保管・サービング
13. 個人衛生
第5節 流通過程における衛生管理<大島 寛>
1. 法改正
2. ケータリングシステムによる調理
2.1 クックサーブ(弁当サービス含む)方式
2.2 クックフリーズ方式
2.3 クックチル方式
2.4 真空調理方式
3. 配送時の管理
3.1 配膳車による管理
3.2 配送者の管理
第5章 医療食・介護食の調理・包装・宅配システム
第1節 調理・加熱殺菌システム
-1- 調理システム<船越元煕>
1. 医療食・介護食の調理現場における現状と問題点
1.1 栄養管理と給食管理
1.2 給食管理の四大テーマ
1.3 給食管理調理システムを生産工場に置き換えてみた場合
2. 献立作成プロセスと調理システムの問題点
2.1 栄養管理における顧客(患者・高齢者)ニーズと医療的側面との接点
2.2 厨房生産能力の向上
2.3 調理技術からみた医療食・介護食
3. ISO9001の導入
3.1 材料受入れ、材料チェックの要点
3.2 下処理
3.3 加熱処理
3.4 調理した料理の冷却・保温
3.5 盛付け
4. 新しい調理システムの導入を考える
4.1 作業の標準化とマニュアルの導入
4.2 クックチルの活用
4.3 アッセンブリング・トゥ・オーダー
-2-加熱殺菌システム<田村敏行>
1. 食品の調理と加熱殺菌
2. 微生物の耐熱性
3. 低温加熱殺菌システム
4. 高温加熱殺菌システム
5. 通電加熱殺菌システム
6. マイクロ波加熱殺菌システム
第2節 包装システム
-1- レトルト殺菌システム<葛良忠彦>
1. レトルト食品とは
2. レトルト食品の殺菌技術
3. レトルト食品包装材料
3.1 レトルトパウチ
3.2 ハイガスバリヤー性多層プラスチック容器
3.3 プラスチック金属箔複合容器
4. レトルト食品の重点技術
4.1 パウチの充填技術
4.2 成形容器の充填技術
5. レトルト食品の医療食・介護食への応用
-2- 真空調理・無菌包装システム<広瀬和彦>
1. 高齢者食の形態
2. 院外調理とは
2.1 クックチルシステム
2.2 真空調理
3. 無菌包装化包装システム
3.1 無菌包装とは
3.2 無菌化包装とは
第3節 宅配システム
-1- 宅配システム<鈴木隆二>
1. 宅配システムとは
2. ニチイ学館の在宅配食サービス
3. 在宅配食サービスにおける今後の課題
-2- システムに対応した宅配容器<右田俊幸>
1. 配食容器・食器に関する基本的な検討すべき要素
2. 配食容器・食器を検討するためのシステム上の必要前提条件
3. 喫食者に関わる要件とサービス
4. 現在、宅配市場で主に使われている容器・食器例とその特徴
第4節 病院調理施設の設計と管理<本山忠広>
1. 病院給食の変革と規制緩和
2. 病院給食の問題点
2.1 目標設定と経営的視点の欠如
2.2 フードサービスとしての視点の欠如
2.3 食事の品質改善
3. 病院給食施設の設計
3.1 厨房設計に関する課題
3.2 組織の編成
3.3 厨房設備予算の適正
3.4 環境先進国の厨房設計規制
4. 病院フードサービス・システムの分類
4.1 院外調理システムと院内調理システム
4.2 調理法別フードサービスシステム
5. 病院厨房施設の経済的設計の考え方
5.1 メニュー構成
5.2 品質管理
6. 食堂の設置
6.1 患者食堂
6.2 職員食堂
7. 厨房施設設計の要点
7.1 HACCPを前提としたGMPの整備
7.2 環境設計の基本
付属資料 医療食・介護食の調理システムモデル
■執筆者
合原康行 社団法人神奈川県栄養士会 副会長
横山理雄 神奈川大学理学部 講師
武田安弘 森永乳業(株)栄養科学研究所栄養食品開発室主任研究員
篠田一三 森永乳業(株)栄養科学研究所成人栄養研究室室長
一色宏之 明治乳業(株)栄養機能食開発部開発3G 課長
濱千代善規 キユーピー(株)研究所研究六部チームリーダー
毛利善治 (株)ニチレイウェルネス食品部マネジャー
橋詰 豊 シダックスフードサービス(株)メディカル業務管理部部長
楠見五郎 (株)エフ・エム・アイ コンサルティング室室長
小沼博隆 国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部第二室長
大久保 憲 NTT西日本東海病院 外科部長
内田征志 医療法人厚仁会 内田病院 理事長
矢野俊博 石川県農業短期大学食品科学科 教授
大島 寛 エームサービス(株)安全衛生管理センター所長
船越元煕 (有)フーズテクノエコノミー 代表取締役
田村敏行 三洋電機(株)産機システムカンパニー食品システム事業部新事業開発部 担当部長
葛良忠彦 東洋製罐グループ綜合研究所調査企画室主任研究院
広瀬和彦 呉羽化学工業(株)食品研究所 所長
鈴木隆二 (株)ニチイ学館ヘルスケア事業本部商品事業部 部長
右田俊幸 スリーライン(株)営業開発部 部長
本山忠広 (株)サニテック 取締役マネージャー