内容説明
エロスを欠いた母子関係が子を歪ませる。自分の悩みを言葉にできない、人と深く交わることができない、攻撃性を押さえることができない、学問に面白みを見出せない、自分の弱さを認めようとしない。80年代以降に顕著になってきていた青年たちの心の病いを家族の病理から解き明かす。
目次
第1章 いま母性の「質」を問う―エロスを失った青年たち
第2章 なぜ子供たちの攻撃性が強まったのか―文化モデルの喪失
第3章 「悩み」を悩めない病理―感情を言葉にできず人と交われない
第4章 「知育偏重」の行きつく果て―アパシーに陥る青年たち
第5章 自立を阻む「母子癒着」―他者との関係づくりにつまずく
エピローグ 「日本的な個」の在り方を求めて