出版社内容情報
●内容紹介(版元ドットコムより)
パチンコという「ギャンブル」の実態を追う、渾身のルポ―好評につき、新装増補版を発行。家庭も心も壊して、パチンコにハマる人々、主婦・サラリーマン・定年退職者・学生・教師・自営業者など多数を追跡・調査。
売上三〇兆円の業界。だが、二千万万人の遊戯人口中、約二百万人の「依存症」を放置(半数は女性)。本書では「パチンコ依存症」の根本対策と、そして、パチンコという「賭博場」の全面禁止を提言。
●目次(版元ドットコムより)
新装増補版の発行にあたって 2
はじめに 4
プロローグ 13
パチンコ広告を解禁したメディア 13
「パチンコ依存症」絡みの犯罪の増大 15
ギャンブルとして厳しく規制すべき 19
第一章 主婦ギャンブラーの全盛時代 21
友だちの主婦に誘われて 22
ビキナーズラックが仇に 25
サラ金に手を出す 28
ギャンブル化するパチンコ 30
パチンコの古き良き時代 33
ギャンブルでカネは残せない 36
借り入れは一千万 39
実家に頼み込んで借金 42
再びパチンコに依存 45
第二章 パチンコにハマるサラリーマン 49
きっかけは一人息子の死 50
ハマるのは気が短く負けず嫌い 53
真面目人間もハマる 57
仕事の喪失感でハマる 61
行きつくところはサラ金 64
頭をかすめる自殺 67
パチンコはギャンブルだ 70
裏ロムで遠隔操作 72
奥さんの病死で目覚め 77
第三章 定年後にハマる男達 81
ハマる遊び経験のない男 82
ヒマをもてあます元商社マン 84
元店長の語るパチンコ業界 86
元サラリーマンのパチンコ日記 93
つぎ込んだ二千百万円 97
「お金よりも失った時が惜しい」 106
第四章 挫折感からハマる大学生 109
留年がストレスに 110
治そうとシャブとドラッグに 112
新台にはサブリミナル効果 117
「人体実験」で稼ぐミュージシャン 119
ホームレスになったタクシードライバー 123
大学には行かずパチンコ通い 126
パチンコ屋は鉄火場 133
第五章 ストレスからハマる女性教師 137
地方にも広がる依存症 138
学校でのストレス 139
ギャンブルにハマるスポーツ選手 143
公務員はサラ金の上客 145
依存症に至るプロセス 150
両親の定期の取り崩し 155
パチンコ屋のない僻地へ転勤 159
第六章 プロギャンブラーに学ぶ 165
プロはギャンブルに溺れない 166
プロの謙虚な男達 169
プロが教えるギャンブルのコツ 171
「貴方達は狂っています」 174
プロギャンブラーは命がけ 177
『ギャンブル人生論』の実話 180
パチンコ屋というカジノ 183
第七章 パチンコ依存症は治せるか 187
対策が急がれるパチンコ依存症 188
パチンコ依存症の特徴 190
ギャンブル依存症の診断 194
パチンコ依存症は病気だ 197
第八章 パチンコ業界と癒着する警察 201
暴走する警察の業界指導 202
暴対法とCR機の導入 207
違法行為を隠す「三店方式」 209
パチンコ業界の厳しい規制を 212
補 章 パチンコを全面禁止せよ 215
政府はパチンコ税の創設を 216
今こそパチンコの禁止を 218
パチンコ業界がCMに金を使う訳は 221
パチンコ禁止を叫ぶ理由 223
パチンコの問題も餃子中毒も根は同じ 225
パチンコを禁止した韓国 227
●本書より(版元ドットコムより)
新装増補版の発行にあたって
『打ったらハマる パチンコの罠―メディアが報じない韓国のパチンコ禁止』(PART2)をお読みになった読者の方から、PRAT1も読みたいが書店で手に入りません、というメールを何通も頂いていた。今回、読者の後押しで増補版が刊行されることになり、正直嬉しい。読者の皆様のご希望があったから、なおさらである。
相も変わらず、パチンコの事件は絶えることなく続いている。国会議員がどんな綺麗ごとを言っても、アドバイザーという名でパチンコ業界の用心棒を務めているようでは、信用してくれと言うほうに無理がある。
この国の、末期的な状況がパチンコ問題に凝縮されている。何でも政治のせいにするつもりは毛頭ないが、法律的には現在でも換金が違法なパチンコを、政府も見てみぬ振りを続けているのである。とても、まともな国とは言えない姿がある。
その違法な業界に、マスコミから政治家、官僚までもがぶら下がっているのである。
韓国が〇六年にパチンコを禁止したのを、日本では筆者が初めてリポートしたが、日本では何で禁止できないのか……。
政府は、やるほうが悪いで済ませようとしているが、やるほうが悪いで済ませてはいけない。実態は、「依存症」という病気に追い込まれ、やらされているのである。
〇九年十二月二十五日、三十代のパチンコファンのA氏が、名古屋地裁管内のある支部において、パチンコ業界に一石を投じる国家賠償訴訟を起こした。
訴状には「著しく射幸心をそそる確率変動というパチンコの問題性に対して強い憤りを持ち、自分のような被害者がこれ以上増えないようにという思いをもって本訴訟に及んだ」とある。
パチンコを禁止できないのならば、被害者の方々がA氏に続いて立ち上がり、国家賠償訴訟を起こす必要がある。現在も、法律的には換金は違法なのだから、損害賠償訴訟を起こして司法の判断を仰ぐべきと思う。
パチンコによる被害者家族から、サラ金の過払い訴訟のような大きな現象が起きる可能性がある。
パチンコの被害は、借金だけではなく、「依存症」により心を痛め、時には命まで奪われている。もう我慢の限度を超えている。パチンコによる被害者は立ち上がるべきである。
二〇一〇年九月一〇日
若宮 健
内容説明
警察公認のパチンコというギャンブル。この「賭博場」で放置され、壊れる人々を追う渾身のルポ。
目次
第1章 主婦ギャンブラーの全盛時代―家庭を壊してまでハマるパチンコの罠
第2章 パチンコにハマるサラリーマン―真面目・短気・負けず嫌いがハマる博打
第3章 定年後にハマる男達―退職金も家も土地も失う素人ギャンブラー
第4章 挫折感からハマる大学生―有望な若者が学問も時間もドブに捨てる人生
第5章 ストレスからハマる女性教師―パチンコ屋とサラ金の上客にされる公務員
第6章 プロギャンブラーに学ぶ―素人は手を出すな!博打は命がけの勝負
第7章 パチンコ依存症は治せるか―人も家族も壊れる依存症は病気
第8章 パチンコ業界と癒着する警察―暴力団の縄張りをぶんどった警察の腐敗
補章 パチンコを全面禁止せよ―政治家・マスコミ・パチンコ業界の癒着を糺す
著者等紹介
若宮健[ワカミヤケン]
1940年、秋田県生まれ。トヨタの自動車のデーラーに19年勤務。メカニック、営業マン、営業所長を経験。営業マン13年で新車を1200台販売。独立後、自動車販売会社を経営するも3年で撤退。その後、損保の代理店を経営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。