内容説明
信用リスクは、金融市場における最も古いリスクの形態の一つである。もし信用を“一定期間内での経済価値の総和の予想値”と定義すれば、信用リスクとは、この予想値が予想通りとはならないことである。信用リスクは貸出自体と同じ位古い概念で、その起源をたどれば、少なくとも紀元前1800年位前までさかのぼる必要がある。信用リスクの本質は、古代エジプト時代からほとんど変わっておらず、今でも当時と同様、借り手が貸付金をきちんと返済するか、しないかは常に不確実である。本書は金融機関が、どのように古代からの金融リスクを変形し、価格を付け、そして配分しているか、そしてそのためにどのようなツールとテクニックを用いているのかについて解説する。
目次
信用リスク―金融市場における次の偉大な挑戦
信用文化
従来からの金融産業の参加者
ポートフォリオ・マネージャー
取引仲介機関(信用構造の結節点)
格付け会社
伝統的な信用分析
資産担保金融(Asset‐Based Lending)
信用リスクモデルの導入
会計データと市場価値に基づく信用リスクモデル〔ほか〕