内容説明
31歳の女3人。結婚・仕事・家族etc、道は険しく、悩みはつきない。韓国で最も女性に読まれた書。
目次
1 私に残された唯一の真実は私が時おり泣いたということだけだ
2 少女が泣いている
3 絶対に、どうせ、だけど
4 あの汚辱の地に向かって
5 獣の時間
6 寂しい時に縄跳びをする女
7 それは選択だった
8 不幸ではない
9 妻、情婦、そして友
10 初夏の日のバラ
11 母という名への私たちの記憶
12 母が思う娘についてのいくつかの話
13 たそがれをもう一度生きる
14 こざかしい選択
15 サイの角のようにひとりで行け
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
6
1993年にこれだけ今日の問題を先取りした作品が書かれたということに驚くべきか、20年以上たっても何も変わらない状況にため息をつくべきか。子育てに非協力的な夫や世間に対して孤軍奮闘する主人公の姿が痛々しいし、友人の夫の一見妻の活動に理解があるようでいながら家事育児を全て妻の仕事だと思っている態度に怒りを覚える。2019/04/30
Viola
1
民主化運動を闘って、自由を勝ち得たはずなのに、どうしてこんなに手足を縛られているんだろう。同志として共にいたはずなのにどうして女だけ我慢するのだろう。1993年、韓国の女性の呻きが聞こえる。学生時代の友人3人の青春と結婚生活、才能があり、割り切れないだけに彼女たちの絶望感は深い。日本も未だ過渡期、結婚と出産、子育てを考えた時、何が正しくて何が間違っているのかはわからない、とこの本を読んで思う。その場その場で選択をし、それは自分で責任を取る代わりに常に最良なのだ。面白かったが他の作品に比べて少し冗長。2020/09/11
ハッカ飴
1
私世代の女の人たちにはすごく気持ちがわかる小説なんじゃないかな。取得率は低くてもなんとか男性も育児休暇をとれるような時代になってきた。社会は必ず進歩するんですよね。いまの女性は声高に「女性の自立」なんて叫ばなくても、ちゃんとやっているでしょ?でも、日本でも韓国でも女のこうした悶々としたたたかいがあって、手に入れつつある「自由」でもあるわけだね。2010/07/30
J-sone61lineX
0
1993年の韓国小説。作者の序文によると、この小説は経済成長のおかげで、法的あるいは形式的、そして家庭においてさえも、女だという理由で差別を受ける事なく育った最初の世代が、学校を卒業したあと、結婚という制度に編入される事で経験する悲劇を描いたもの、との事。大変普遍的なテーマだけれども大変重いし、素晴らしい文章で問題の浮かび上がらせ方が非常にリアルでうまいなぁと。女でありながら女性として生きる事の大変さがイマイチわからない私にはとてもいい勉強に。日本も同じでは?女は結婚生活の中で自分の個の尊厳を奪われる。2016/06/15
_____wbsb
0
ずっと探してたのにどこにもなくて、もうほとんど忘れてた頃にメルカリで発見して即買いました。 自立した男女が結婚してお互いの尊厳を損なわないように婚姻関係を続けていくのは大変な作業だと思う。自分がどうあるべきかや社会や家族に対してどう接するべきかと考えるきっかけになった。2020/07/16