内容説明
本書では近世の滝沢馬琴から戦後の澁澤龍彦にいたるまで、さまざまな文学者の将棋に関する文章が収められています。本書を読むとき、名作とされている作品の意外な場面に将棋が登場することに気づかされます。将棋という縦糸を用いて文学作品をつないでいくことで、これまでの文学史では見えてこなかった作品どうしの意外な結びつきが浮かび上がってくるでしょう。
目次
1部 作品篇(夏目漱石「坊っちゃん(抄)」(将棋で勘当される/小谷瑛輔)
小川未明「野ばら」(童話が描く戦争と将棋/関戸菜々子)
菊池寛「将棋の師」(追憶の修業時代/西井弥生子)
横光利一「蝿」(跳ね上がる馬/矢口貢大)
芥川龍之介「お母さん」(行軍将棋ごっこ/小谷瑛輔)
甲賀三郎「悪戯」(消えた駒の謎/本多俊介) ほか)
2部 テーマ篇(将棋と小説/篠原学;将棋と戦争/木村政樹;志賀直哉をめぐって/斎藤理生;将棋と人生/西井弥生子)
著者等紹介
矢口貢大[ヤグチコウダイ]
1987年生。明治大学・法政大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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