内容説明
本書は、「知的無形資産」のなかでも代表的な「ブランド」の会計に焦点を絞って論じる。すなわち、本書では、ブランドを所有する企業が、どのような論拠または根拠に基づきブランドを貸借対照表に資産計上するようになったのか(資産計上の論拠)、その際に、どのような方法(評価基準)を用いてブランドを評価してきたのか(ブランドの評価方法)、およびブランドを評価し資産計上するうえで、あらかじめどのような課題を解決しておかなければならないのか(ブランド会計の課題)といった諸問題について、かなり詳細に論じるが、とりわけ自己創設ブランドの評価(当初認識と測定)および再評価(その後の再測定)、ならびに買収ブランドの再評価(その後の再測定)についての諸問題、つまりブランドのなかの自己創設部分の評価問題に重点を置きつつ論じる。
目次
1 ブランド資産計上の事例とその意義
2 イギリスにおける暖簾の会計処理
3 ブランド資産計上の論拠
4 ブランドの評価方法(1)
5 ブランドの評価方法(2)RHM社の事例
6 ブランド会計の課題
7 総括と展望
補遺 財務報告公開草案第12号(FRED12)『暖簾と無形資産』の検討