内容説明
本書の目的は、実定国際法の一分野としての刑事国際法の形成過程を、判例・条文・決議・国家の実行を通して実証的に分析することであり、それによって国際刑事管轄の本質と限界を究明することにある。研究にあたって、対象とする国際犯罪を極力、ジェノサイド罪、人道に対する罪、戦時犯罪、侵略罪といった公的な目的によって行われるものに限定した。本書の構成は、旧ユーゴ及びルワンダ国際刑事裁判所に関する著者の論説ならびに翻訳資料をもとにして纏めたものである。
目次
第1章 国際社会における犯罪概念の形成
第2章 戦間期における国際刑事裁判所設立の動き
第3章 ニュールンベルグおよび極東国際軍事裁判所
第4章 国際連合における国際刑事裁判所設立の軌跡
第5章 旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所
第6章 ルワンダ国際刑事裁判所
第7章 常設国際刑事裁判所(ICC)
第8章 安全保障理事会と常設国際刑事裁判所(ICC)
補章 ユーゴスラヴィア紛争と国際法