感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
29
ファンタジー色の強いものから現代的なものまで、ヴァラエティに富んだ作品群が収められておりこちらを惹きつける。翻訳も読みやすく、改めて東欧文学の奥の深さを思い知らされた。圧倒的なヴォリュームの中に、東欧の惨禍/災禍を生き抜いた人々のタフな文学が詰まっている。この作品から読めるのであればヤロスラフ・サイフェルトのような作家を読んでいくのも手であろう。早速気になった個々の作家の邦訳をチェックしてみたくなった次第である。実験的な小説が比較的少なめなのが気になるが、これはまあないものねだりというやつだ。なかなか深い2019/07/24
かもめ通信
21
一つ一つの作品は、数ページと短くてまさに“ポケットのなか”に詰め込めそうなものばかりだが、本自体は解説も入れると550ページを越えるボリューム。それもそのはず、この本にはポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、クロアチア、ボスニア、マケドニア、ブルガリア、ベラルーシ、グルジアの49人もの著者の詩、小説、エッセイが収録されているのだ。参加している翻訳者も総勢41人、ベテランの翻訳家からこれが翻訳デビューという若手までさまざまだ。作品も訳もすべて満点!とはいわないが、十二分に読み応えのある本だった。2016/06/20
ヤクーツクのハチコ
2
ポケットの中というタイトルの割にはすごいボリュームですが。ルネサンスから現代までの東欧文学の合わせ盛り、ということで、後ろから時代をさかのぼる形式で読む。分析的な物が多いが、安房直子さんのファンタジーのようなものから、文学少女のキラキラした日々を描いたものなど幅広い。印象にのこったのが、作者紹介で「死の行進に参加、消息が途絶える」や「強制収容所で死亡」といった説明がつづられていること。ナチスといえば、悲劇映画の背景に使われるものといった感覚だったが、この地域の人達にとってはただ現実におこった歴史なんだと2013/01/06
meg
0
すごい本。とにかく。2022/11/21
-
- 和書
- 新映画論ポストシネマ