感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イノ
13
ドイツに支配され文化と言語も失われつつあるなかでの民族意識の芽生え、 覚醒者が生まれる中でさらにマサリクによって花が開き、独立とマサリクの思想が根付いたチェコの近代史を丁寧に追いかけていく。 マサリクももちろんだが前後の重要な人物・事件・歴史も深く見ていくため覚えることが多く難しい。眠気とも戦って時間を目一杯使って読了。 やはり歴史は苦手。2016/05/05
Miyako Hongo
6
米原万里の本で紹介されてたんで、勢いで買って長いこと積ん読状態だった本。ようやく読了。■国を作れないほどの少数民族がヨーロッパのど真ん中でそれでもアイデンティティを保ち続けた歴史を、マサリクという哲学者嫌政治家を軸に紹介。俺たちは偉大な先祖の末裔、は何かと大迷惑な存在だが、少数民族の場合はそうはならないようだ。規模の小さいユダヤ人、みたいなもんだろうか。■隣に住んでるスロバキア人はチェコ人を嫌ってると何かで読んだ覚えがある。程度問題で近い奴には迷惑な存在なのかも知れない。2021/01/03
micamidica
6
チェコの宗教や思想における歴史をたどっていきつつ、チェコスロヴァキア共和国初代大統領であるマサリクの考えたことを明らかにする作品。現代でも頷ける言葉がたくさんありました。「民主主義には欠点がある、なぜなら市民たちに欠点があるからである。物は扱う人次第である」とか、まさに今の日本だな…と(アメリカもかも)。そしてチェコの歴史がようやく線のように繋がってきたように感じ、ますますチェコという国、文化に惹かれていくのでした。2018/06/14
yurari
2
難しかった…周辺知識を深めてから再トライ。2022/03/23
call
0
マサリクとチェコの再形成についての本。まず、チェコの宗教的形成と喪失、次にチェコ民族の復興を述べている。そしてマサリクはそれをどう受け止めどう発展させていったかを述べている。最後にマサリクが遺したものを20世紀のチェコ人はどう発展させていったかを論じている。マサリクは小民族としてのチェコ人を民主主義を尊重することでアイデンティティーを形成していき、北や東の大国と民族的に差別化した。また、マサリクが目指した制度的な民主主義ではなく精神的な民主主義の尊重は今なお重要な民主主義の要素であろうと思う。2017/04/24
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